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異世界を渡りし者  作者: 山田 隆行
光の精霊編
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第41話 超難関討伐依頼

昨夜、夢の中で光の精霊から問題発言を聞かされた俺は最後にこの世界で何をするか考えていた。


(レグリスの糞皇女の事は気になるが、国同士のいさかいには干渉したくないしな・・・。)

(次の世界のためにお金を稼ぎましょうか?)

(そうだな、どうせ不老不死なんだし最難関な討伐依頼を受けようか。)

(森で会ったリザードマンなどを討伐して荒稼ぎしましょうか!

S級以上の魔物なら、たった1度の討伐で最低でも金貨3枚はもらえると思いますよ。)

(じゃ、早速ギルドに行って依頼を受けて討伐しようか。 どうせ、此処で暴れても記憶に残らないんだから能力や魔法を使用しても構わないよな?)

(ですが、報酬を貰ってから武器や道具・食料などを買い占めるので街中では魔力の放出をしない方がいいかと。)

(それじゃあギルドに行って依頼を見てみようか。)


俺は心の中でルゥと会話しながらギルドへと向かって歩いていった。


「あれ?ミコトさん、久しぶりですね。」

「やあローラ、高額報酬の討伐依頼を探しているんだけど良いのあるかな?」

「討伐依頼で報酬が良い物・・・。A級討伐依頼なら今のところ、銀貨50枚の依頼がありますが?」

「A級か。S級以上の討伐依頼ってないかな?どうしても金が必要なんだけど」

「S級ですかー!? ある事はありますが、幾らミコトさんでも危険すぎますよ!」

「俺は大丈夫だから討伐依頼書を見せてくれないか?」

「でも~~~」


ローラが出し渋っていると奥の部屋からギルド長であるリュックが姿を現した。


「こらっローラ。お前の仕事は何だ!?言ってみろ!!」

「は、はい!冒険者に対して仕事を斡旋したり、仕事内容を説明する事です。」

「なら至急、目の前に居る冒険者の言うとおりの仕事を斡旋して差し上げろ!!」

「はい。ただいま」


ローラはギルドの窓口から飛び出すと、依頼書などが備え付けてある掲示板から他の通常の依頼書とは違う赤色の手配書を数枚剥がして持ってきた。


「今、ギルドにあるS級以上の討伐依頼書はこの5枚です。S級依頼書は期限が定められてはいないため、自分自身の身の安全を第一に考え討伐に当たってください。更に期限が定められていないという事で依頼失敗時の罰金は掛からない事になっています。」


俺は差し出された依頼書を見てみると、S級は最低でも金貨5枚でSS級に至っては金貨30枚という依頼まで存在した。


「もし別の魔物を倒してしまった場合は証明部位さえ持ってくれば換金できるのか?」

「其れは大丈夫ですが、SSS級の依頼を受けて戻ってきた冒険者は今のところ居ない為・・・。」


ローラはそれだけ言うと黙り込んでしまった。


(ルゥ、全ての依頼書の内容を記憶してくれるか?徹底的に討伐するつもりだから。」

(了解しましたマスター!)

「それじゃあ、1度戦った事があるしSS級のリザードマンの討伐にするよ。」

「それでは場所はミコトさんが以前、リュナイトを討伐した森を抜けて更に50エルトほど進んだ場所にある岩場に高ランクの魔物が集まっていたとの報告が寄せられています。」

「分かった。行ってくるよ」


俺が剣を装備しなおしてギルドから出て街の門へと歩いていくと、まるで別れを覚悟したような目でローラがギルドの壁に背を預け、佇んでいた。


「ミコトさん、どうか御無事で・・・。」


街の門を出た俺は周りに商人がいてもお構い無しに全速力で森へと向かって走っていった。


「なぁ・・・今、何か通らなかったか?」

「気のせいだろ?突風が吹いただけじゃないか。」

「そうか?人が走っていったかのように見えたんだが。」

「魔力で身体強化した魔術師でも目にも留まらない速さで走るなんてありえないだろうが。」

「そうだよなぁ~~やっぱり気のせいか。」


街の門を出発した俺は、力の制御を解放して全速力で走っていた。もう隠す必要がないので持てる力全てを使って走っていたのだが、速度にしてマッハに近い速度で走っているにも拘らず、足も痛くならないし息苦しさも無かったが履いていた靴がボロボロになってしまっていた。


(身体は無事でも衣服まではもたなかったか・・・。)

(マスター、目的地の森まで残り5エルトです。)

(じゃあ、そろそろ減速しようか。)


時速200kmにまで速度を落として、その速度のまま森へと突っ込んでいった。

森に生い茂る木の枝は俺の身体に触れた瞬間に根元から砕け散り、さながら馬鹿でかい図体の魔物が木々を薙ぎ倒しながら森の奥へと入って行ったかのような跡が出来上がっていた。


(マスター、森の中では方向感覚が狂いますから高いところから見回して進みませんか?)

(そうだな・・・。そうするか!)


俺は地面を摩擦熱で焦がしながら急停止を掛けると、まるで空母から打ち出されるミサイルかの如くルゥの指示する方向へとジャンプして森を飛び越えた。

一方、その頃ミコトの泊まっていた宿に一人の女性が姿を現していた。


「ミコトさんの此処からでも感知できた膨大な魔力・・・。説明してもらわないと!」


いざ意を決して宿屋に足を踏み入れようとしたところで、後から声を掛けられた。


「あれ?シルヴィア様、どうしたんですか?このような場所で。」

「あら、誰かと思えばローラさんじゃないですか!その節はお世話になりました。おかげでガルデリアの現状を知る事が出来ました。」

「は、はぁ? それで今日はどうしたんですか?」

「ちょっとミコトさんにお話がありまして・・・。」

「え!? でも、ミコトさんは朝早くに討伐依頼を受けて森へと出発してしまいましたよ?」

「そうなんですかぁ!? それで、依頼書の期限は何日になっているのです?」

「いえ、S級討伐依頼ですので期限は設けてはいません。いつ戻ってくるかは不明です・・・。 何の用かは分かりませんが戻ってこられたらシルヴィア様が呼んでいたとことづけしましょうか?」


シルヴィアはしばし考えるがミコトの魔力の事を話すわけにはいかず、ローラに手を振りながら城への道を歩いて行く。


「ミコトさんの馬鹿!後で話があるって言っておいたのにーーー!! 戻ってきたら許さないから!」


シルヴィアは近寄りがたい雰囲気をかもし出しながら、ズンズンと来た道を戻っていった。



いよいよ節目を迎えようとしています。

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