閑話② ミコトが修行していた頃のシルヴィア
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序に文字数もギリギリですが10万文字に到達する事が出来ました。
私の名はシルヴィア、マルベリア第3近衛隊副隊長を勤めています。
今日も他の騎士隊との合同訓練が終了し自室で紅茶を飲んでいた時の事・・・。
「はぁ~~訓練のあとのお茶は格別ですね~~。」
「シルヴィア、そのような事を言っておると直ぐに年老いてしまうぞ?」
「余計なお世話です。隊長も身体を鍛えてばかりいないで、此方で飲みませんか?」
「いや、俺はまだまだ強くならなくてはならん!少し前に霧の中で出会った冒険者と握手した時に己の実力の無さを思い知らされたわ!」
「また、その話ですか? その冒険者の名前は聞かれたのですか?」
「確か、ミコトと言っていたの~~~」
ブッ!!
私は口につけていた紅茶を思わず吐き出してしまっていた。
『ミコトさんの事だったんですね・・・。あの強さなら隊長がムキになるのも分かりますね。』
「どうした?落ち着いて飲まんと身体に悪いぞ!」
私がお茶を拭いて片付けていた時、伝令の兵が控え室に飛び込んできた。
「失礼します!! 陛下より至急の用件と言う事で御2人に玉座の間までお越し下さいとの事です!」
「分かりました。直ぐに参りますとお伝え下さい!」
「ハッ!分かりました。それでは失礼致します!!」
伝令が部屋を出て行ってから、隊長に声を掛けて玉座の間に行こうとしていたのだが、隊長はついさっきまで上半身裸で訓練していたにも拘らず、何時の間にか身だしなみを整え鎧まで着込んでいた。
「シルヴィア、何をしておる行くぞ。 ふっふっふ、久しぶりの任務じゃ腕が鳴るわい!!」
いつの間に着替えたんでしょう?おっと、こうしては居られませんね急ぐとしましょうか。
「お待たせしました。行きましょうガイアス隊長」
数分後、玉座の間に辿り着いた私達は陛下から、森で膨大な魔力が感知された事の調査を命じられた。
我が部下の近衛隊を連れて行こうとも考えたが、城の守りとして配置されている近衛騎士を動かす事は出来ないと陛下に言うと・・・。
「それならば、ハンクス隊長率いる騎士隊を隊長・副隊長を含め20人ほど連れて行くことを許す!」
「分かりました。お借りいたします」
私は興奮しているガイアス隊長に代わり、伝令の兵にハンクス隊長への指示を依頼した。
「それでは30分後に城の正門に集合と言う事で宜しいですか?」
「ああ、それで頼む。」
「ハッ!了解しました!!」
伝令は足早に廊下の奥の訓練場目指して走り去っていった。
「では隊長、私達も正門へと急ぐとしましょうか。」
「そうだな。どんな相手なのかの~~楽しみじゃわい!!」
「隊長・・・。まだ敵と決まったわけではありませんので落ち着いてください。」
「そうは言うが、この頃訓練ばかりで身体が鈍っておるからのぉ~」
そして私達がそろそろだと思い、正門へ向かうとまだ10分もの時間があるにも拘らず20人の騎士たちが整列して直立不動のまま待機していた。 私と隊長が騎士達に近づいていくと・・・。
「ガイアス隊長とシルヴィア副隊長に敬礼!」
一糸乱れぬ対応で整列していた騎士隊が一斉に敬礼してきた。
「ご苦労。此れから魔力が異常検出された森へと調査に向かう! 全員、馬に騎乗しろ」
ガイアス隊長が騎士達に命令を飛ばし森へと急ぐ事にした。
何ともいえない予感がするが、黙っておく事にしよう・・・。
マルベリアを出発してから約6時間後、森の200エト手前に陣を置き騎士達を調査に向かわせた。
ガイアス隊長も騎士達とともに真っ先に飛び出して行こうとしたが『指揮者が居なくては困る』と言い、ハンクス隊長とエミリア副隊長、私とガイアス隊長がテントの中で騎士達に指令を出していた。
何か『高魔力』と言う言葉が頭の隅に引っかかっていたが、何も考えずに待っていると一人の騎士がテントに飛び込んできた。
「ご報告いたします!先程、冒険者と思われる人物が問題の森から姿を現したため事情を聞くために呼んでおりますが構わないでしょうか?」
問題の森に入っていた冒険者ですか・・・。 何か気になりますね。
「わかりました。私が直接、訳を聞く事にしましょう。丁重にお連れしなさい!」
そのあと、騎士に連れられてやってきた冒険者に目玉が飛び出るほどに驚きました。
「あの隊長殿?いかがなされましたか?」
「い、いや何でもないわ。 あなたは下がってなさい。」
「はっ!了解しました。」
ミコトさんとお話したい私は案内してきた騎士を下がらせました。
本当はガイアス隊長やハンクスさんとエミリアさんも下がらせたかったのですが、残念ながらそういうわけにも行きませんでした。
「さてと・・・。「如何してミコト(さん)が此処に居るの(居るんですか)!?」」
ミコトさんに声を掛けた瞬間、エミリアさんと声が被ってしまいました。
「シルヴィア様、ミコトと面識があったのですか?」
「エミリアさんこそ、お知り合いだったとは。」
『まさか、こんな場所で会おうとは・・・』とハンクスさんも頭に手を当てて小声で項垂れていました。
ハンクスさんもエミリアさんもミコトさんとお知り合いだったのですね・・・。
「おお、この前街道で出会った冒険者ではないか!元気にしておったか?」
「ガイアス様もミコトを知っているんですか?」
「隊長!?」
ミコトさんはガイアスさんの事を隊長とは思って居なかったらしく、裏声のような甲高い声で驚いていました。
「そういえば自己紹介しておらんかったの。俺はガイアス、第3近衛隊隊長ガイアスじゃ宜しくな!」
此処でいつまでも驚いているわけには行かず、ミコトさんに此処に居るわけを聞いてみる事にしました。
「それにしてもミコトさんはあの森で何をしていたのですか?騎士の報告では修行をしていたと聞いていますが。 あの森で高魔力が感知されてから、出入り禁止になっているはず・・・。はっ!?」
自分の口から『高魔力』という言葉を発した直後、出発前の悪い予感が確定いたしました。
その事実をミコトさんに確認するために私は他の人に聞こえないように小声で話しかけることにしました。
「私達は魔力の異常発生を調べるために此処に来たのですがミコトさんは此処で何をしていたんですか? ある程度、予想は出来ていますがミコトさんの口から説明してくださいますか?」
「ご想像のとおりです。森の奥にある湖で魔力制御の修行をしていました。 一時的に全魔力を放出したので、その時に観測されたのだと思われます。」
完全に予想が確定しました。 ミコトさん一人のために私達は派遣されたのですね。
「やっぱり・・・。ミコトさん、もう少し考えて行動してください!」
「いや、俺も街中でやるわけには行かなかったから森で修行してたんだけど、まさか城まで届くとは思っても見なくて。」
それはそうでしょう。街中で膨大な魔力を発生させたら、どれほどの騒ぎになるか予想できません。
「シルヴィア様?ミコト?コソコソして何を話しているんですか?」
私とミコトさんの話の内容が気になったんでしょうか?エミリアさんが聞き耳を立てていました。
「い、いえ何でもないですよ?世間話をしていただけですから。 それではミコトさんは戻っても結構です。お疲れ様でした!」
「それじゃあ、また今度な」
「ええ、また今度。」
任務が終わったら直ぐにミコトさんが居る宿屋に押しかけて、今回の事の内訳を聞かせてもらわなくてはなりませんね。
高魔力の原因が分かったとはいえ、探索隊に説明するわけにはいかず、ミコトさんと別れてから3日が経過してからマルベリアに戻る事にしました。
私達に探索任務を命じた上層部には成果は上げられなかったと報告し、宿に居るミコトさんを訪ねることにしました。
続きを期待されていた方々申し訳ありません。
少し思うところがあり、物語の構成を組みなおしておりますので、本編はもう暫くお待ち下さい。