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異世界を渡りし者  作者: 山田 隆行
穏やかな出会い
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第4話 ギルドと武器屋

小説の内容に散々悩みましたが、少し遅れて更新することが出来ました。

エミリアと一緒に町へと繰り出した俺は数分後、ギルドへと辿り着いた。

とある小説のイメージでは屈強な傭兵達がたむろしている、薄汚い雰囲気の場所を予想していたのだが、予想に反して魔物の生態などの資料は綺麗に壁へと整えられており想像していたものとは全く違う、綺麗な場所だった。


「あ、エミリア、いらっしゃ~い!」

「こんにちわ、ローラ」

「ローラ?」

「このギルドの受付の女性よ。ローラ、こっちはミコトよギルドの登録をしに来たの。」

「へ~~、ミコトさんってエミリアの彼氏?」

「か、彼氏だなんて・・・私」

「俺はミコトと言います。よろしくローラさん」

「よろしく~~私の事はローラで良いわよ。登録に来たんだって?詳しい説明は必要?」

「お願いします。ところでエミリアはどうします?」

「暫くほっときましょ。いつもの事だから」


エミリアを見るとブツブツと虚ろな目で壁に向かって呟いていた。

傍からみれば近寄りたくは無い雰囲気を醸し出している。


「じゃ登録だけど、この用紙に名前を記入してくれる?」


そう言ってローラは羊皮紙と羽ペンを俺の前に差し出した。

俺は指定された場所に名前を書き込んでいくが、気になる事があった。

どうして文字自体が、どう考えても日本語とは全然違うのに書けるんだろうか、話せるんだろうかと。


「書いてくれた? ミコト・ミネフジか変わった名前ね」


その頃になってやっと我に返ったのかエミリアが戻ってきた。


「それでミコトの登録にね・・・」

「今、手続き中よ。」

「いつの間に。」

「これで手続き完了よ。


で、ギルドの説明なんだけどギルドに登録した時に傭兵の強さを示すランクが就けられるわ。

ランクなんだけど最低はHランクから最高でSSSランクまでの11段階があって最初は皆、Hからの開始になるんだけど、ミコトさんみたいに城の騎士の紹介があった場合はEからになるわ。」


「エミリアって騎士だったんだ。」

「ミコト、何気に失礼ね。」

「ギルドの依頼にも難易度によってランクがあって、いきなりSランクを受けるのも、止めたりはしないけど命の保障までは責任もてないわよ。それとランクアップするには同ランクの依頼を10個か自分より上のランクの依頼を5個完遂すれば次のランクに上がれるわよ。更に特例として今のランクよりも2ランク以上の依頼を成功させれば、その依頼の一個下のランクに昇格できます。」


聞いているとエミリアが服の端を引っ張って話しかけてきた。


「ミコト、隊長に貰った討伐の証明書をローラに見せるのよ。」

「そっか、忘れてたよ。」


服のポケットから四つ折にして仕舞っていた、山賊の討伐証明書をローラの目の前に差し出す。


「へぇ~~登録前に討伐しちゃってたんだ。えっと、どれどれ・・・・・ええーーー!?」


ローラは大声を上げて受付から飛び出すと依頼書が貼られている掲示板へと赴き、山賊5人衆と書かれた依頼書に『討伐されました』の判を押して戻ってきた。


「ミコトさん!凄いじゃない。いきなりあの5人を倒すなんて!」

「それは良いから・・・。ローラ、ミコトのランクは幾つになったの?」

「もぅ、凄い事なんだよ! 此れでミコトさんはランクBに昇格しました。おめでとうございます、此方が報酬の銀貨50枚です。」

「銀貨?」


傍にいたエミリアに小声で『銀貨って?』と聞くと


「お金の単位で銀貨一枚で銅貨100枚と同等になるわ、同じく銀貨100枚で金貨一枚と同等で、更に金貨100枚で白金貨一枚になるわ・・・って知らなかったの!?」

「いや、お金の単位が此処とは違う遠い場所から来たものだからさ」

「そうなの?たいへんね、ちなみに一般的な家族4人の1日辺りの食費が銅貨10枚と言ったところね。」


ということは銀貨50枚だと500日分の食費って事じゃないか!?


「なお、ギルドでは銀行としての役割もありますから24時間何時でもお金の出し入れが可能です。勿論、手数料などは不要ですのでご安心して御利用ください。」


早速預けようかと考えていると


「ミコト、次は装備を整えに行くわよ。」


そうして俺はエミリアに引っ張られまま、ギルドを後にした。

ミコトが居なくなったあと、ギルドではローラが微笑んでいた。


「新人にして行き成りのBランクか、面白い事になりそうだわ。」


半ばエミリアに無理矢理つれてこられた場所はギルドの斜め向かいに位置する武器防具屋だった。


「此処でミコトの武器と防具を選びましょ。」

「おう、誰かと思えばエミリアの嬢ちゃんじゃねえか。今日はどうした?」

「もう、ハイドさん。いい加減に『嬢ちゃん』はやめてくださいよ」

「そうかそうか、すまねえな嬢ちゃん。」

「ぶぅーーーーーーー!」


俺の直ぐ横でエミリアが顔を膨らませて怒っているのをみて気持ちが和んだ。


「ミコト、防具を選んでください。まぁ、碌な物は無いとは思いますが。」

「そりゃ酷えぜ・・・。」


何故か装備品の重さは最初の山賊戦から殆んど感じないが、動きやすさだけを重点において鉄の鎧の肩当てのないシンプルなデザインのものを買う事にした。

それを見ていた店主のハイドと呼ばれた男は大声で笑い始めた。


「ほぉ~“静”より“動”を選ぶか、気に入った。兄ちゃん、名はなんという?」

「ミコトと言います。よろしくお願いします、ハイドさん。」

「おう宜しくな、ミコト!」

「さて防具は決まったみたいだから次は武器のほうね。」


武器の置いてある棚を見ると剣や槍は勿論の事、大鉄鎚おおかなづちや投げナイフ、鉄鋲がついたグローブ、杖などが所狭しと並べられていた。

一抹の期待を憶えながら店内を隈なく探し回ったが、やはり刀は存在してはいなかった。

刀はあきらめて店内を探していると、一際異様な雰囲気を放っている一本の大剣に目が行った。

それは全長が2mくらいの物で叩き切ると言うより、叩き潰すが性にあってるような巨大な剣だった。


「お?その剣は重すぎて誰にも扱えねえんだ。無理をすると自分が参っちまうぜ!」


俺はその剣を手に取り片手で軽々と持ち上げて見せた。

が、これほどの大剣では野原なら問題ないものの、森の中では大振りしすぎて使えはしないだろう。


「だが、これほどの剣、手放すには惜しいな。」


暫く片手で持ったまま考えていると、先程までエミリアと喋っていたハイドが此方に目を遣って驚いていた。

エミリアはというと、いじけて地面にうずくまっていたが此方を見てハイドさんと同じ様に目を見開いて固まっていた。


「あの大剣を軽々と振り回すなんて・・・ミコトはいったい何者なんだ」

「ミコト凄い!」


そうとも知らない俺は左手で巨大な剣を持ち、右手で普通のサイズの剣を持ってどちらにしようか一生懸命、悩んでいた。




何処までも規格外な力の持ち主であるミコト・・・。


この後の展開に乞う御期待!!

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