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異世界を渡りし者  作者: 山田 隆行
魔力の目覚め
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第35話 修行の成果

修行1日目に微妙な成果を上げた俺は晴れやかな気分で2日目、3日目の修行に臨んだ。


(さて、今日も修行と行きますか。それ!ブスっとな)

(マスター・・・。真面目にやってくださいよ)


それから更に日数が経過して5日目、起床して7時間が経過し刺した回数も、ゆうに1000回を越した頃に初日に種火状態だった魔力がキャンプファイヤー並みに感じる事が出来た。


(マスターやりましたね!!成功です)

(そうだな、俺の脚を蜂の巣状態にしたかいがあったよ。)


と言っても直ぐに自動治癒されてしまうので傷跡すら残ってはいないが・・・。

最初の頃は痛みは感じないとは言っても、自分の身体にブスブスとナイフを突き立てるのは恐怖感があったが、回数が100回を越える頃には何も感じなくなっていた。

そして時刻は昼頃になり、やっと魔力の安定化を習得し始めた。


(マスター、思ったよりも断然早く魔力を掴めましたね?)

(魔力は良いが、身体の中から今にも漏れ出すような感覚に慣れないな・・・。)

(マスターの魔力が規格外すぎるのが問題なんです!)

(それで?このまま放出し続けるのか?幾ら俺でも、すぐに底がつくぞ)

(いえ、魔力が放出され始めてから測定をし続けていますが、1mmたりとも減っていません。)


さながら、スーパーサイヤ人のような光のオーラを纏った感じで俺は立っていた。


(ではマスター、次の修行を始めたいと思います。)

(次?魔力を放出させる修行ではなかったのか?)

(随時、そんな量の魔力を放出させた状態では街に居られませんよ!?)

(まあ、魔術師が普通に街中を歩いている時に魔力を感知して騒がれるのは目に見えて明らかだしな)

(それにしても・・・。まさか此れほどの量の魔力だとは思いも依りませんでした。)

(そうなのか?一般の魔術師と俺の魔力とでは何対何くらいだ?)

(えっとですね、例えて言うなら一般魔術師の魔力を100とするならマスターの魔力はゆうに1000万は超えています・・・。)

(1000万!?最低でも10万倍か。)


この魔力の所為か放出前まで『あの人間は何をしているのか?』というような顔で遠巻きに眺めていた野生動物は、放出した瞬間に影も形も気配すらも感じられないほど遠くへ逃げてしまっていた。


(ま、まぁ気を取り直して修行を続けたいと思います。次は魔力を全て身体の中に戻してください。)

(魔力の放出の修行に続いて次は魔力の収納か・・・。)

(マスターの世界で言うならば、宝くじで当たったお金を銀行に預けるようなものです。)

(よく“宝くじ”なんて言葉を知ってるな。)

(マスターの思考を読ませて頂きましたから、因みに的中率は・・・0%ですね。)

(人の痛々しい傷口をグサグサと突き刺しやがって。)

(どうせ治療されるんですから、良いじゃないですか。)

(そういう問題じゃない! まぁいいか、修行を開始するぞ。)

(はい。頑張ってください)


今度は肌を傷つけることなく、自分の身体に収納するだけだがルゥの言うように簡単に出来る筈はなく、あと1歩というところで暴発してしまうと言う結果が数時間に及んでいた。


(くそ!上手く行かないな。)

(マスター、魔力を収納しない状態で魔法を使ってしまうと一瞬で半径100kmは焦土と化しますので、絶対に成功させないといけません。)

(分かってはいるんだが、あと少しが収まりきらないんだ。)

(マスターの身体から出たんですから、確実に収納できる筈です。頑張って制御しましょう)

(どれだけの時間と日数が掛かるか分からないが、絶対に成功させてみせる!)

(その意気です。頑張りましょう)


言うなれば、ある一定の方向でしか箱の中に収める事のできない物体を無理矢理にでも箱に詰め込むような修行をしているわけで、余程上手に入れないと絶対に収納できないような魔力を必死に嵌め込もうという修行をしているわけである。


(くそ、また失敗だ!)

(マスター、精神集中が乱れていますよ?少し休憩して、気を落ち着かせてから再挑戦しましょう。)

(そうだな、腹も減ったし少し休憩するとしようか。)


その頃、マルベリアの城では・・・。


「なんだと!?森で莫大な量の魔力を検知しただと?」

「はい。近くで街道警邏をしていた魔法騎士によりますと、寒気がする程の強大な魔力を感じたとの事です」

「あの森でか。ギルドからの報告にあった、リザードマン以上の魔物が生息している可能性が大だな。」

「どうします?騎士隊を調査に向かわせますか?」

「調査に行ったところで騎士隊数人で対処できると思うか?」

「無理だと思います。行ったとしても返り討ちに遭うのが関の山でしょう。」

「我々の判断では手に余るな、陛下に相談し対処方法を求めよう!」

「その方が無難でしょう。場合によっては近衛隊を派遣するよう頼めるかもしれませんし。」


そんな事とは露ほども知らないミコトはと言うと、膨れたお腹を擦りながら精神集中を始めていた。


(マスター、いい調子ですよ。もう少し・・・もう少し。)

(雀の涙の分だけが残って・・・。クソー!!)

(あっマスター!?)


思いっきり叫んだところで入りきれなかった魔力が上手い具合に収納され、全ての魔力が体内に入った


(あれ?成功・・・したのか!?)

(おめでとうございます、マスター! 残る修行は一つだけです。)

(やっと成功か。気が緩んだら眠くなってきたよ、少し寝るから明日の朝に起こしてくれ。)

(わかりました。ご苦労様でしたマスター)


結局、魔力の収納に丸一日を費やし、気づいた頃には空は夕焼けに差し掛かろうとしていた。



どんな展開にしようかと必死に考え、なんとか形にする事ができました。


かなり無理矢理な気がしますが・・・。

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