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異世界を渡りし者  作者: 山田 隆行
剣の精霊編
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第19話 上級種の魔物

人外の生物ということで片仮名文字を使用しました。


読みづらい箇所が多々あるとは思いますが、御了承ください。

俺が地面で項垂れていた時、森の奥深くでは・・・。


「コッチデ間違イナイノカ?」

「#$&@*+☆!」

「分カッタ、急グトシヨウ。」

「%&#$@」

「仲間ガ心配カ? 取リ返シノツカナイ事ニ、ナッテナケレバイイガ・・・。」

「#%’@:*!?」

「冗談ダ、気ニスルナ。ソレヨリモ急グゾ!」


そんな事を知らないミコトはと言うと・・・。


「俺は人では無くなったのか!? 俺は一体なんなんだ。」

(マスターがたとえ何であったとしても、私はマスターの剣です。)

「まぁ飛行機事故から生還した時点で普通の人間ではないと思ったが。」

(マスター・・!? マスター今すぐに後ろに飛んでください!)


ルゥの言葉に疑問を抱く前に反射神経で咄嗟に後方へと身をかわした。

先程まで俺が居た場所には深々と黒光りする剣が突き刺さっていた。


「カワシタカ・・・。」

「何者だ!?」


辺りを見回すが声はすれども姿は見えず、殺気は四方八方から寄せられている。


「地面ニ倒レテイル、リュナイト達ヲ倒シタノハ貴様カ?」


謎の声の持ち主の正体は分からなかったが質問に答える事にした。


「そうだ。いきなり襲い掛かられたからな、不可抗力という奴だ。」


俺がそう答えた瞬間、左右と正面から剣を装備したリュナイトが襲い掛かってきた。


「待テ!早マッタ真似ヲスルナ!!」

「「「%&#%@*!!!」」」

「何ダト!? 愚カ者ドモメ!!」


リュナイトが何を喋っているのかは知らないが、3方向から同時に襲えば勝てると過信した、こいつらの負けは確実だ。

俺は剣を構えたまま足を主軸にして独楽のように回転し一撃で3体のリュナイトを仕留めた。

左右から来た2体は喉元を切り裂かれ窒息死、前方から来たリュナイトも剣で串刺しになったあと湖の中央辺りへと弾き飛ばされて水面に緑色の血を流しながら浮いていた。


「ソノ者ノ闘気ヲ感ジ取レバ、勝テナイ事ナド火ヲ見ルヨリ明ラカダロウニ・・・。」

「お前は何者だ!姿を見せろ、この卑怯者!!」

「卑怯者ダト!? ヨカロウ姿ヲ見セヨウ。」

(ルゥ何処から来るか分かるか?)

(声はするのですが気配がつかめず、何処に居るのかサッパリです。)


俺はキョロキョロと辺りを見回すがリュナイトの死体ばかりで動くものは何処にも存在してなかった。


「何処ヲ見テイル? 我ハ此処ダ。」


声がするのは、唯一探さなかった後方の湖のみ。

恐る恐る振り向くと姿形はリュナイトと変わりないが、明らかに風格が異なる魔物が水面に浮かんでいる死体の上に立っていた。


「此レホドノ数ヲ、呆気ナク倒シテシマウトハナ。」

「魔物が・・・」

「ン?ドウシタ人間?」

「魔物が人の言葉を喋っている!?」

「言葉ガ人間ダケノ物ダト誰ガ決メタ?」

(マスター、あれはリュナイトの上位種であるリザードマンです。リュナイトとは比べ物にならないほどの身体能力を持っているので注意してください。」

「お前がリザードマンだと!?」

「フム、我ノ事ヲ少シハ知ッテイルヨウダナ。」

「リュナイトより強いという事しか知らないさ。」

「ナルホド・・・ココハ一ツ、手合ワセ願オウカ!」


リザードマンはそう言いきると同時に一瞬で俺の横へと移動し、地面に深深と突き刺さっている黒い剣を引き抜き、俺の方へと襲い掛かってきた。


「何だ?仲間を俺に殺された恨みか?」

「恨ミ?マサカ。

アノ者達ガ、オヌシヨリ弱カッタダケノ事、我ハ純粋ニ戦イヲ楽シミタイダケダ。」


俺はリザードマンが持つ剣に打ち込み、体勢を崩したところで勝負に出ようと考えていたが一向に隙は見せず、膠着状態が続いていた。


「多少荒削リダガ、良キ剣戟ヲ持ッテイルナ!」


リザードマンの剣ばかりに目が行っていると、不意をついて尻尾で攻撃してきた。


「守ッテバカリデハ埒ガアカナイゾ?

マァ、相打チ覚悟ナラ勝機ガアルカモシレンガ・・・。」


魔物は剣を上段で振りかぶりとどめとばかりに襲い掛かってきた。

俺は敢えて、その攻撃に飛び込み右肩の負傷と引き換えに魔物の左腕を切り離した。


「マサカ、本当ニ相打チ覚悟デ来ルトハ。ダガ、手応エハアッタ此レデ貴様ハ、モウ剣ヲ持テマイ。」

「誰が誰を斬り付けたって?」


俺は上半身に付けていた鎧を外し、無傷の肩をリザードマンに見せる。


「ソンナ、確カニ剣デ切ッタハズ!? ン!?ナゼ剣ニ血ガ付イテイナイ!!?」

「どうする?まだやるか?」


リザードマンは暫し考えた後、何時の間にか切り離された左腕を右腕で抱えていた。


「ココハ一時、退却スルトシヨウ。」


そう言った瞬間、リザードマンは存在していなかったかのように掻き消えた。


「一ツ忠告シテオコウ。コノ森ニ生息シテイタ『リュナイト』ハ我ガ撤退サセタ。イクラ待ッテモ、此レ以上ノ成果ハ挙ゲラレハシナイゾ!」


その言葉を最後に周囲からは何も聞こえなくなった。


(マスター、リザードマンの言うとおり他のリュナイトの気配が一向に感じ取れません。撤退したものと思われます。)

(そうか。)


俺が剣を鞘に戻そうとするとルゥが慌てて話しかけてきた。


(マスター!幾ら不死身とはいえ、あのような戦い方はお止め下さい。私はもう二度とマスターを失いたくはありません。)

(分かった。すまなかったなルゥ・・・。)

(私に手が合ったら、思いっきり殴っているところですよ!!)


後から現れたリュナイトの牙も採取し、討伐証明部位は全部で40個集まった。

更に身体の所々がリュナイトの返り血で緑色に染まっていた俺は湖で軽く洗い流し、服が乾いたと同時に森の外へと歩き始めた。

あとには湖の周りに転がっているリュナイトの惨殺死体だけが残されていた。



なんとか予告どおり更新する事ができました。


次話は早くて日曜日、遅くても月曜日までには更新したいと思っています。

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