表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界を渡りし者  作者: 山田 隆行
穏やかな出会い
13/230

第12話 討伐した後で・・・

前回からの続きという事で、2日もかからずに完成させる事ができました。


第11話を更新した翌日にアクセスPVが10万に達しました!!

愛読してくれている読者様やお気に入り登録してくれているユーザーの方々に感謝致します。

ありがとうございました。

更に高みに上れるように精進して参りますので、応援宜しくお願いいたします。

A級討伐依頼の魔物ロックレイルを剣を折る激闘の末、打ち倒した俺は証明部位を剥がすために辺りに突き刺さっていた武器を使用するも一向に成果は無く苦労していた。


「どうやって爪を剥がしたら良いんだ!! そもそも誰かコイツを討伐した事があるのか!?」


ぶつくさ文句を言いながら武器を振るっては折るという行為を十数分続けていたが、遂には振るう武器がなくなっていた。


「しまったな・・・武器が無くなってしまった。う~ん、こうなったら最後の手段だ!!」


俺は少し考えた結果、証明部位が切り離せないなら魔物の身体ごとギルドに運ぼうと考えた。


「さすがに、幾らなんでも魔物を背負って町の中を歩くわけには行かないな。遠回りになるが町の外壁に沿って表門に歩いて行くとするか。」


俺は魔物を横抱きに抱え、町へと向かって足を進めた。十数分後、マルベリア城下町の裏門にたどり着いたが魔物を抱えて街中を歩いては町の住民に迷惑が掛かると思った俺は外壁沿いに表門へと足を進めた。

途中、すれ違った冒険者から奇異な目で見られはしたが、気にしない事にして只管ひたすら歩いた。

流石に王都というだけあって延々と続く塀に沿いながら歩くとようやく表門が見えてきた。


「やっと着いたか。いくらなんでも広すぎるだろ、この街は。」


魔物を担ぎなおして街の門を潜ろうとした時、門を守護する2人の衛兵に止められた。


「そこの冒険者、ちょっと待て!! そんな魔物モノを持って何処に行く気だ!!」

「あ、すいません。ギルドの依頼で魔物を討伐したまでは良かったんですが、証明部位を切り離す事が出来なかったんで魔物ごと持って来ました。」

「切り離せなかっただと!? 

そんな馬鹿な、俺が試してみよう。俺はこれでも剣の腕には自信があるんだ!!」


衛兵は剣を振りかぶって魔物に剣を突き刺そうとしたが、切っ先が割れただけで魔物には傷一つ付けられなかった。


「本当だ、びくともしない。」

「わかったでしょ?街に入る事を許可してもらえませんか?」

「ううむ、仕方ない。念のため俺がギルドまで同行するとしよう。」

「分かりました。」


衛兵を先頭にギルドに向かう途中も街の住人から奇異の目で見られ続けた。


「お~いローラ!ロックレイル討伐してきたぞーーー!!」


魔物の身体の大きさからギルドには入れないことを確認した俺は外から大声でローラを呼び寄せた。


「ミコトさん、恥ずかしいですから大声で呼ばないで下さいよ。いつもの様に窓口に来て・・・。」

「ん?ローラ、どうした?」

「・・・ミコトさん、コレなんですか?」

「何って、討伐依頼の対象のロックレイルだけど?」

「私が言ってるのは何故魔物ごと持ってきたかということですよ!!!」

「しょうがないだろ、証明部位を切り離す事が出来なかったんだから。」

「え!?こうズバッと切れなかったんですか? そういえばミコトさんの剣は?」

「此処にあるけど、コイツを倒した時に根元から砕け散ってしまってな残っているのは柄だけだ。」


そう言いながら、何故か捨てられなかった剣を道具袋から取り出しローラに見せる。


「柄を残して、ここまで木っ端微塵に砕け散るものなんですか!?」


俺はロックレイルを倒した後、どんな武器を使っても証明部位が切り取る事が出来なかった事をローラに話してみたところ・・・。


「ロックレイルという魔物は本来、このような場所に生息する魔物ではないんです。」

「つまりはマルベリアで討伐対象になったのは此れが初めてというわけか?」

「はい。恥ずかしながら・・・。」

「それじゃあ、この魔物に対抗できる武器は存在しないのか?」

「余程の大剣か、もしくは高威力の魔法なら倒せると聞いた事があります。」

「じゃあ、俺が持っている大剣なら斬る事が出来るかもしれないな。ちょっと待っててくれるか?」


ギルド前でローラを待たせた俺は急いで宿の俺の部屋へと足を運んだ。


「この剣なら難なく討伐できたかもしれないな。」


俺は壁に立てかけてあった大剣を背中に担ぐとギルド前へと戻った。


「それはレイドンさんの店に古くから置いてある剣ですね!?」

「そうだ、これなら!!」


言い終わる前に目の前の魔物の死体に向かって振りかぶると一気に振り下ろした。

広場に土煙が上がった後、魔物を見ると綺麗に両断されていた。


「やはり、この剣なら討伐できたが、狭い洞窟内では不利な武器だな。」

「昔、私が別の国に住んでいた頃の話によれば、今は希少生物として指定されているドラゴンの鱗を材料にした剣ならば、どんなに固い物であっても難なく切り伏せることができると聞いたことがあります。」

「ドラゴンの鱗か・・・。手に入れられれば最強の武器が手に入るな。」

「かといって、ドラゴンを狩ってはいけませんよ。まぁ、歩いていける場所にはいませんが・・・。」


ハイドさんに聞けば何か情報が手に入るかな。


「っと忘れてました。これが討伐報酬の銀貨40枚です、お受け取りください。」


報酬を受け取った俺は直ぐにでもレイドンの店に行きたい気分だったが、ロックレイルの死体をそのまま街中に置いておく訳には行かず、町の衛兵に許可を貰って裏門から山へと入りロックレイルの死体を山へと捨ててきた。帰ってくると既に辺りは真っ暗になっていたため、宿屋へと戻った。

翌日、疲労のためか昼過ぎに目が醒めた俺は朝食(昼食?)も取らずに武器防具屋へ足を運んだ。


「おっ?この前、エミリア嬢ちゃんと一緒に来た兄ちゃんじゃねえか。今日はどうした?」

「この前、売ってもらった剣なんだが根元で砕けてしまってな。それの代わりの剣と特殊な武器の情報が欲しいんだ。」

「“折れた”なら分かるが“砕けた”とは・・・。いったい何と戦ったんだ?」

「ロックレイルって言う魔物なんだけど。」

「よくアレを剣で倒せたな。普通は魔法で倒す魔物だぞ?」

「剣を魔物の口の中に突き刺して殺したと同時に剣も砕けたんだ。」

「無茶しやがる!」


それから俺はハイドさんと話をしながら、店にある武器を片っ端から手に取って見ていった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ