人工天変地異
不定期更新なので今日(昨日)も更新します。
「亜空図書館へ行く。」
これが一日経った私の結論だった。
私は...どうすればいいのだろうか。
私室の寝具に横たわりながらそう考える。
一日の予定を終えある程度の疲れとともに、私の中には、苛立ちとある種の納得感があった。
かの精霊が言っていたことは......間違ってまいない。
確かに、私は我儘...なのかもしれない。
しかし、それを認めたくない自分がいるのだ。
私は今まで、王太子としての振る舞いを心掛けてきた。
王族であることにかまけ、努力を怠ったなどということは決してない。
そのような私が、我儘だと?
この程度で我儘と言うのであれば、いわゆる我儘令息らはなんだと言うのだろうか!
再び苛立ちを強くした私は、その勢いのままに眠ることを選択した。
二度とかの精霊とは出会うまいと決めて。
今朝、目が覚めた時、私の中に苛立ちは残っていなかった。
今思えば、近頃はこれほどよく眠ることはなかった。
疲れが溜まっていたのかもしれない。
かの精霊への苛立ちが、かえって私を癒してくれたようだ。
落ち着いて考える。
私は何をすべきか。
たしか、かの精霊は資料になりそうな物語がある...そう言っていた。
また、あの図書館へ赴く価値はあるだろう。
精霊の助言は正しかったのだから。
あとは、何をするにしても彼女...男爵令嬢とは話をせねば。
...フッ...私は彼女の名すら知らないのだな......
もはや傲慢と言っても過言ではないな。
――――――――――――――
くぐもった魔法の音が鳴り響く。
俺の張った結果の中で派手な魔法が発現する。
うーん...派手だけど、使い道は...
いやいやいや、使いたいからじゃなくて、知りたいから修行してるんでしょー!
まだ、まだ他の人が来る可能性はあるんだ!
それまで、諦めちゃダメだ、諦めちゃダメだ...!
...恋愛本を読む。
内容はよくある平民と王子サマのラブロマンスだ。
現実的に...なんて考えちゃうと面白くないけど、だいぶ難しいよね。身分差って。
王子サマも悩むよね〜。そりゃ。
......もしかして、恋を成熟させるためにまず土台を作ろうとしてただけなのかも......
うわ〜......え、何。勘違いやろーじゃん。
はずかしっ。
――――――――――――――
「では、行ってくる。」
「は。お待ちしております。」
二度目の訪問だ。先日の非礼を詫び、自らの手で本を探そう。
そう意気込んで入った図書館には。
火が燃え水が湧き出ては凍り雷が轟き鉄が自由に伸び闇が覆い光が照らす...
天変地異が起きていた。
初投稿作品です。
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