表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☀ 神様の言う通り  作者: 雪*苺
【 おまけ 】
23/24

✒ おまけ 1 / 神佛に相談しながら打とう


──*──*──*── 囲碁教室


 今日きょうはプロ棋士の先生がいちししている院生と対局をする事になって、御互いに向かい合っている。

 僕と向かい合っている院生は女子で、中学生くらいだ。

 僕はれいくみでプロ棋士のげんじのづる先生からじき(じき)に指導を受けている。


 とは言え、づる先生はほんとうぼうみたいで、僕はほとんどをキノコンと一緒に打っている。

 キノコンは教えじょうで、分からない事は僕が理解したり納得が出来る迄、根気づよく教えてくれる。

 親切で丁寧で可愛くて──キノコンとれ合えるのが楽しくて仕方が無いんだぁ(////)


 じつはキノコンにだけ、「 神佛かみさまお聞き(お伺い)する事が出来る 」って事を話してある。

 今ではキノコンと話し合ったあと神佛かみさまお伺い(相談)しながらものごとを進めるようにしている。

 囲碁を打つときずは自分が打ちたい場所を神佛かみさま教えて(お伝えして)から、打ってもいかお聞き(お伺い)をして、駄目ならに打つかをお聞き(お伺い)して打っている。


 左手の人差し指と小指がピクピクと動くから、相手には気味わるがられたりしちゃうけど、神佛かみさまからひらめかせて頂く為にはれいかんを高める必要が有るから、お伺い(相談)する事をめたりは出来ないんだ。

 とき(どき)神佛かみさまが教えてくれた場所に碁石を打たなくて、コテンパンに負かされちゃう事も有る。

 ツケって大きくなって返ってるから気を付けなくちゃだ。


 相手の女子が黒石でせん、僕は白石でになった。

 相手から「 きみは小学生低学年だから、ハンデをあげる 」って言われたけど、神佛かみさまお聞き(お伺い)したら〔 いいえ(必要ない) 〕って教えられたから、かどが立たないようになるべくていちょうに御断りしたんだけど──、相手の御機嫌をそこねて怒らせちゃったみたい。

 女子の気持ちってむずかしいね……。


久賀瀬千晴

「 お願いします 」


 御互いに挨拶を済ませると、相手の女子が黒石を盤上に打つ。

 盤上にパシッとおとが響く。

 どう(どう)としてつよな打ちかただ!


 カッコいい!!

 僕も真似したいけど──、ずかしいからめとくぅ~~(////)

 対局が終わったらカッコいい打ちかたの練習をしようと思う。


久賀瀬千晴

「( 天元に打った!

   僕は──彼処あそこに打ちたい!

   神佛かみさま、僕は彼処あそこに打ちたいです。

   打ってもいですか? )」


 僕のお伺い(相談)に対して、左手の小指がピクッと動く。

 〔 いいえ 〕の合図だ。

 思いもしない場所が視界にバッとはいってた。


 〔 彼処あそこに打ちなさい 〕って教えられているんだ!

 あんな所に打って大丈夫なのか今の僕には分からない。

 でもでもでも、神佛かみさまわざ(わざ)教えてくれている場所だし……。


久賀瀬千晴

「( 神佛かみさま、教えてくださった場所に打ちますか? )」


 左手の人差し指がピクッと動く。

 〔 はい 〕の合図だ。

 僕は教えられた場所に白石を打つ。


 相手の女子はにも意外そうな顔をして僕を見てる。

 「 なんで? しょう?! 」って顔をしている。

 僕も思ってるよぉ~~。


 相手の女子が再び黒石を盤上に打つ。

 打ちたい場所を見付けた僕は神佛かみさまお聞き(お伺い)をする。

 左手の小指がピクッと動いて〔 いいえ 〕の合図。


 次も打つ場所が視界にはいってる。

 神佛かみさまお聞き(お伺い)すると左手の人差し指がピクッと動いて〔 はい 〕の合図。

 神佛かみさまが教えてくれた場所に白石を打つ。


 またまた相手の女子が意外そうな顔をして僕を見ている。

 「 アンタ、ほんに私より強い院生なの?? 」って顔をしている。

 はっきり言って、自信は無いですぅ~~。


 相手の女子が黒石を打つ。

 僕は神佛かみさまお聞き(お伺い)しながら打つ。

 その繰り返しが繰り広げられる。


 今回はことごとく僕の打ちたい場所は〔 いいえ(駄目だよ) 〕って教えられちゃう。

 神佛かみさまが教えてくださった場所に素直に打てば打つほど、相手の女子の表情がじょ(じょ)に般若のように変わって行く──。

 こ…怖いよぉ~~~~!!






見学者

「{ おぃ、なぁ──。

   あの小学生さ、顔色がわるくないか? }」 


見学者

「{ たしかに!

   今にも倒れそうな顔色してるよな。

   このまま打たせて大丈夫なのかよ? }」


見学者

「{ 相手の子、小学生4年生になったばかりの子だってぇ }」


見学者

「{ えっ、そうなの?

   可愛いから1年生かと思ってたぁ~~ }」


見学者

「{ 相手は中学生だろ。

   1組で強い女子!

   なんで小4と打ってんだよ? }」


見学者

「{ 小4の子が黒石かな?

   中学生が相手だし、劣勢なのは仕方無いわよね…… }」


見学者

「{ 中学生を相手に頑張ってるよな。

   負けるのはしゃあない }」


見学者

「{ でもさ、なんで優勢なのにけわしい顔してるんだ?

   余裕で勝てそうなのにさ }」


見学者

「{ 男の子、顔色がわるいね……。

   対局が終わったら、水あげない? }」


見学者

「{ 冷えたタオルも用意しとく? }」






 見学している院生達がヒソヒソばなしをしてるぅ~~。

 なにはなしてるんだろう??

 相手の女子はけわしい顔してるしぃ~~~~。


 初めて神佛かみさまが僕の打ちたい場所に〔 いいよ 〕って言ってくれた!!

 やったぁ!!

 ついつい嬉しくて笑顔になっちゃったよぉ~~(////)


 僕がウキウキしながら白石を打つと、相手の女子の両目から涙がこぼれたのが見えちゃった。

 僕にはなんで泣き出しちゃったのか分からない。

 両手で両目を拭いている。


久賀瀬千晴

「 あの……大丈夫ですか?? 」


 僕はオロオロしながらこえを掛けるしか出来ない。


相手の女子

「 ………………く…くやしい……!!

  小学生に負けるなんてぇ~~~~~~!! 」


久賀瀬千晴

「 えっ??

  勝負…付いたの??

  え……?? 」


相手の女子

「 ……………ありません…………投了です…… 」


久賀瀬千晴

「 え…………あ……がとう御座いました…… 」


相手の女子

「 小学生に指導碁を打たれるなんて、こんな屈辱は初めてよぉ~~~~!! 」


 相手の女子は椅子から立ちたちがると泣きながら《 囲碁教室 》の1階から出て行ってしまった。

 「 指導碁を打たれるなんて 」って、どういう事だろう??

 そう言えば、に打つかばかり考えていて、盤上を把握してなかったかも……。


 僕はあらためて盤上に並べられている棋譜を見た。

 黒石が劣勢で、白石が優勢なのが一目で分かる。

 たしかに白石は黒石を導くように打たれていた。


久賀瀬千晴

「 ………………僕が中学生に指導碁を打っちゃったの?? 」


 実際には僕じゃなくて神佛かみさまになるんだけどぉ~~。

 でもでもでも、そんな事は言えないよね。

 仮に言ったとしても「 頭がオカシイ 」って言われたり、キチガイ扱いされたり、精神病院へ連れて行かれちゃうかも知れないしぃ~~~~。


 ゆいいつ、僕が自分の意志で打ったのは最後の黒石だけで、残りの黒石は全部神佛かみさまが選んだ場所だ。

 これって “ ズッコ ” って言うのかなぁ……。

 見学してる先生達や院生達には、僕が打ってるように見えてる訳で──。


 これって囲碁漫画の主人公みたいだ!

 僕には囲碁の強い幽霊はいてないけど──。

 僕の場合は神佛かみさまになっちゃうけど……。


 おちゃん,おちゃんも僕みたいに神佛かみさまお聞き(お伺い)しながら打ってたのかな??

 それでプロ棋士になれたのかな??

 なんで今まで気にしなかったんだろう??


厳蒔弓弦

はる、疲れてないか 」


久賀瀬千晴

づる先生!

  大丈夫です(////)

  中学生に勝っちゃいました…… 」


厳蒔弓弦

「 そうだな。

  ごとな指導碁だ。

  キノコンも喜んでいるぞ 」


久賀瀬千晴

「 てへへ…(////)

  まさか、指導碁を打ってたなんてきませんでした(////)」


厳蒔弓弦

はるの実力が知られてしまったな。

  これから周囲が騒がしくなるだろう。

  キノコンがはるの護衛けん警護をしてくれるそうだ 」


久賀瀬千晴

「 キノコンが? 」


厳蒔弓弦

「 記者を追い払ったり、危険からまもってくれる。

  安心して暮らすとい 」


久賀瀬千晴

「 はい(////)」


 今日きょうからキノコンと過ごせるって事ぉ??

 嬉しいよぉ~~(////)

 薔薇色の人生が始まっちゃうって事かな♥️


 盤上の棋譜を記録したコピーをキノコンがくれる。

 碁盤には先生達や院生達がむらがっている。

 なんか凄い騒ぎになってて怖いよぉ……。


 「 神佛かみさまは凄いエリ 」って、キノコンがごえで言ってくれた。

 神佛かみさまかげだって言ってくれるのはキノコンだけだよぉ~~(////)

 僕は嬉しくて、キノコンに抱き付いちゃった♥️

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ