✒ それから 6 / 祓い屋 2
──*──*──*── 歩道橋
マオ
「 玄武さん、この歩道橋に6体の幽霊は居る? 」
絲腥玄武
「 いや、居ないな。
歩道橋には別の霊的存在が居憑いてはいるが── 」
マオ
「 えっ?
待ってよ、玄武さん!
他にも居るの??
居憑いてる──って何?
どゆことぉ?? 」
絲腥玄武
「 うむ……例えるならば、根無し草のホームレスだ。
地脈に縛られた地縛霊とは違い、その場所を気に入り勝手に居憑いて暮らしている事を言うな。
人間に対して悪意や殺意を抱いていたり、危害を加える様な霊的存在は居ない。
放っといても良いだろう 」
マオ
「 危険は無いんだ……。
6体の学ラン幽霊は階段の近くで消えた──とか言ってたよね?
勝手に成仏しちゃったのかな? 」
絲腥玄武
「 成仏か……。
その痕跡は見当たらないな 」
マオ
「 えと……成仏すると痕跡とか有るもんなの? 」
絲腥玄武
「 人間には見えぬし、霊能力者の類いにも見えぬな。
成仏の痕跡は怪異の類い,異形の類いにも見えるモノではない。
見える者は限られるな。
死神族には確実に見えているだろうが── 」
マオ
「 そ…そうなんだ?
セロには見えてたりするのかな? 」
絲腥玄武
「 確実に見えているだろうが、敢えて見えない様に古代魔法を使っているかも知れぬな。
見えなくとも困らぬからな 」
マオ
「 そ…そうなんだ……。
“ 成仏をしてない ” って事は、未だ何処かに居るって事なのかな? 」
絲腥玄武
「 その可能性は有るな。
何処に行ったかは我にも分からぬな 」
マオ
「 そっか……。
でも、歩道橋も大丈夫って事だよね!
それが判明しただけでも大収穫だよね 」
絲腥玄武
「 そうかも知れぬな。
シュンシュンならば、式隸に探らせる事が出来るからな。
結果は違っていただろう 」
マオ
「 それはそうかもだけど……。
シュンシュンは誰彼構わず御札を高値で売り付けてぼるからる──。
今回は悪どい守銭奴じゃない玄武さんで良かったよ!
玄武さんは御札を高値で売り付けたりしないしさ 」
絲腥玄武
「 そうか?
マオからその様に思われているとは嬉しく思う(////)
今後ともマオの信頼を裏切らぬ様に精進せねばな 」
マオ
「 玄武さん……(////)
壹禾と千晴に話してくるよ! 」
陰陽師さんと話をしていた兄ちゃんが、来て歩道橋に関する事を話してくれた。
歩道橋には6体の学ラン姿の幽霊は居ないみたい。
人間に危害を加える様な危険な霊的存在や怪異の類い,異形の類いも居ないみたい。
今回は調査もしてないし、“ 確認だけ ” って事で料金は “ 無料で良い “ って事になった。
その代わりに《 碁会所 》へ立ち寄る事になって、陰陽師さんと僕が囲碁を打つ事になっちゃった。
陰陽師さんも囲碁を嗜んでるみたいで、兄ちゃんよりも強いんだって!
僕達は歩道橋を後にして《 碁会所 》へ移動する事になった。




