⭕ それから 2 / 碁会所
──*──*──*── 碁会所
久し振りに《 碁会所 》に来た。
《 碁会所 》は有料で囲碁を打てる場所だ。
お祖父ちゃん,お祖母ちゃんは “ 管理人 ” って名目で《 碁会所 》を預かっている立場なんだ。
《 碁会所 》には持ち主が居るんだけど、他にも《 碁会所 》を幾つも持っていて、全ての《 碁会所 》には管理人が居るみたい。
管理人は完全にボランティアだから、お給料は支払われなくて、完全に趣味の延長線みたいな感じ。
囲碁を愛して止まない人達が管理人を申し込むみたい。
経営者から管理人に選ばれると、《 碁会所 》の中を好きに改装を出来る権利を与えられるらしい。
《 碁会所 》の内装には管理人の好みと趣味が詰め込まれていて、色んな内装の《 碁会所 》を楽しめる様になっているみたい。
お祖父ちゃん,お祖母ちゃんが管理人をしている《 碁会所 》の内装は純和風テイストで “ 落ち着ける ” って、年配者達から人気が有る。
祖父母世代が、安心して孫や曾孫を連れて遊びに来れる癒し空間が好まれているみたい。
年配者が持ち寄った着物を使って、無料で着付け体験も出来ちゃうサービスが今時の女子に人気だったりするみたい。
《 碁会所 》には必ず、月刊囲碁の雑誌,掲載されていた囲碁漫画,付録のDVDが置かれていて、着付け体験をしている連れを待つ間にちょくちょく読まれていたりする。
実は本編の囲碁漫画には、スピンオフ作品も有って、主人公の幼馴染み編,ライバル編,部活の後輩編,先輩院生編,後輩院生編,プロ棋士先輩編,プロ棋士後輩編…等々色々と有る。
主人公が囲碁を打つシーンに魅入られちゃった女子生徒が囲碁部に入部して、主人公の幼馴染みをドン引きさせるレベルで主人公にグイグイ迫っては院生を目指そうと貪欲に行動する部活の後輩編は読者の人気がエグいらしい。
後輩を主人公にした作品を連載して欲しいってファンレターが凄かったみたい。
別のキャラクターを主人公にしたスピンオフ作品で、女流棋士としてバリバリ活躍するプロ棋士として登場したり、先輩のプロ棋士と結婚して家庭を築いているシーンが描かれていたりとファンサービスも有ったみたい。
今はプロ棋士となった主人公とヒロイン枠だった幼馴染みの子供を主人公にした囲碁漫画が掲載されている。
主人公に憑いている幽霊は、主人公の息子と囲碁を打ったりするけど、神の一手を極める為に主人公に憑いたままで、囲碁三昧な生活を満喫していたりする。
息子はレベルの高い棋譜を見ていたり、強い幽霊,父親と打つから棋力は相当らしく、小学1年生で院生として《 囲碁教室 》では憧れの存在的に描かれているけど、《 学校 》ではクラスメイトから苛められていたりするんだよね……。
中々辛い学生生活を送りながら、放課後は《 囲碁教室 》で院生達から憧れの存在として畏怖されたり、「 弟子にしたい 」とプロ棋士にも唾を付けられていたり──、2つの異なる世界を上手く描き分けられていて、毎回ハラハラ展開モノだったりする。
毎回、安定した高クオリティな作品で、漫画を読む為だけに月刊囲碁を買うファンもいるみたい。
僕には囲碁の強い幽霊は傍に居ないけど、神佛にお伺いする事が出来る。
どの書籍を読むか,書籍の何ページを読むか,何処に座るか,先手か後手か,打ちたい場所に石を置いて良いか──色んな事を細かく神佛にお伺いをしながら囲碁を打っている。
神佛にお伺いするからといって、毎回対局で勝てる訳じゃなくて、負けちゃう時も有る。
そういう時に限って、神佛に「 御免なさい 」して座りたい場所に座った時や、〔 白だよ 〕って教えられたのに反対の黒を選んだ時や、神佛にお伺いしないで打ちたい場所に石を置いちゃった時が殆んどだったりする。
人間って、おおちゃくいんだよねぇ~~。
だって人間だもん★
過去,現在,未来を見透している神佛にお伺いしながら囲碁を打つなんて、他の院生からしたら完全なズル行為かも知れない。
「 神佛にお聞きが出来る 」って言っても、「 ヤバい電波っ子 」とか「 残念で可哀想な子 」とか「 思考が危ない子 」とか言われて相手にされなさそうだし、馬鹿にされそうだから誰にも言わないけどぉ~~。
神佛にお伺いは出来ても、怠けず地道にコツコツと努力はしないといけないし、出来る努力をサボって怠るとツケが結果に出ちゃうから、チートでもないんだよね……。
今日は碁罫紙にいっちぃと対局した棋譜を書き写す為に来たんだ。
明日はいっちぃと一緒に碁罫紙に書き写した棋譜を写メして【 少年陰陽師★平安幻想異聞録 ~ 碁会所 ~ 】に送信するんだ!
結構な枚数が有るから、かなりのセロカPをゲット出来そうだよ★




