⭕ 通学路 3
《 コンビニ 》を後にして、僕は急いで《 家 》に走った。
何か分からないけど、急いで新聞を持って行かないと駄目な気がした。
何で神佛は近道を通る事を〔 だめ 〕って教えられたのかな?
確かに恐いお兄さん達に絡まれちゃったけど、悪いお兄さん達って感じじゃなかったし……。
ちゃんと《 家 》にも帰らせてもらえたし……。
神佛が10回も〔 だめ 〕って出された意味が分からないよぉ~~。
遠道したら、お兄さん達と出逢う事も無く、《 家 》に着いていたかも知れない。
どっちが良かったんだろう??
神佛は僕に嘘を吐いたのかな??
神佛の考えが分からないや……。
人間の──況してや子供の僕に分かる訳ないよね。
──*──*──*── 自宅
無事に《 家 》へ帰宅が出来た僕は、[ 居間 ]に在るソファーの上にランドセルを置く。
贈答用に置いてある新聞を6枚拝借したら、手提げ袋に6枚の新聞を入れる。
僕は《 家 》を出て、《 コンビニ 》へ走った。
──*──*──*── コンビニエンスストア
《 コンビニ 》に到着した。
お兄さん達を探していたら、大型のタンクローリーが《 コンビニ 》に突っ込んでいるのが見えた。
何で大型のタンクローリーが《 コンビニ 》に突っ込んでいるのか分からない。
《 コンビニ 》の周辺は大騒ぎになっている。
僕が《 コンビニ 》を後にしてから何が起きたんだろう??
お兄さん達は無事なの??
《 コンビニ 》の[ 駐車場 ]にパトカーが入って来る。
救急車も[ 駐車場 ]に入って来た。
警察官が《 コンビニ 》に立ち入り禁止のイエローテープを貼り始めた。
久賀瀬千晴
「 あのっ──、学ランを着た6人のお兄さん達は無事ですか?
僕、お兄さん達と此処で会う約束をしてて── 」
警察官
「 学ランを着た?
中学生かい? 」
久賀瀬千晴
「 中学生より背が高かったです 」
警察官
「 被害者の中には居ない筈だよ。
被害に遭ったのは、店内で買い物をしていた御客だからね 」
久賀瀬千晴
「 そうなの?
( 店内の中で買い物とかしてなかったのかな?? )
無事って事かな…… 」
警察官
「 学ランを着た学生は救急車で運ばれてないから無事だと思うけどね。
6人の特徴は分かるかい? 」
久賀瀬千晴
「 えっとね── 」
僕は特徴のモヒカン,アフロ,パーマ,リーゼント,スキンヘッド,金髪の事を警察官に伝えた。
それを聞いた警察官の顔がみるみる内に青ざめている。
どうしたんだろう??
久賀瀬千晴
「 あの……どうしたんですか? 」
警察官
「 それは本当なのかい?
本当に君はその6人と此処で会う約束をしたのかい? 」
久賀瀬千晴
「 うん。
新聞を渡す約束をしてたんだよ。
贈答用の新聞── 」
警察官
「 新聞ねぇ?
君──は未だ小学生だから知らないか……。
君が此処で会った学ランを着た学生達はね──、既にこの世には居ないんだよ 」
久賀瀬千晴
「 えっ??
でも僕は確かに── 」
警察官
「 彼等はね──、この《 コンビニ 》が出来る前に亡くなっているんだよ。
モヒカン,アフロ,パーマ,リーゼント,スキンヘッド,金髪の髪型をした学ランを着た学生達はね──、ヤクザ達に殺されてしまったんだよ 」
久賀瀬千晴
「 えっ……。
殺された??
《 コンビニ 》が出来る前?? 」
警察官
「 未だ此処が空き地だった頃でね、今から20年も前の事だよ 」
久賀瀬千晴
「 に…20年も前に殺されてる……。
僕が会ったのは…………幽霊?? 」
警察官
「 今日は殺害された6人の命日なのかも知れないね 」
久賀瀬千晴
「 命日………… 」
警察官
「 立ち入り禁止にしたから[ 駐車場 ]から出る様にね 」
久賀瀬千晴
「 あ…はい…… 」
警察官に促されて《 コンビニ 》の[ 駐車場 ]を出る。
お兄さん達は本当に幽霊……だったのかなぁ??
幽霊ってランドセルを触れるの??
教科書にもノートにも普通に触ってたし、持ってたよ。
新聞だって──。
僕……幽霊と話をしてたって事ぉ??
[ 駐車場 ]を見回しても6人のお兄さん達の姿は何処にも無い。
僕は《 家 》に帰る事にした。
トボトボと歩いていると背後から「 危ないっ!! 」って声がした。
声に驚いて、ビクッとなって、一瞬だけ身体が止まった瞬間、僕は何かから足を踏み外しちゃったみたいだ。
目の前には青空が見えた。
誰かが僕の腕を掴んで身体に覆い被さったみたいだ。
目の前が真っ暗らになった。
一体何が起きてるんだろう??
僕──どうなっちゃうのぉ~~~~!?
やっぱり神佛の言う通り、遠道から帰っていたら良かったのかな??
10回も〔 だめ 〕だったし…………。
神佛、教えてくれたのに逆らって御免なさいっ!!
◎ 訂正しました。
ちゃんと《 家 》に帰らせてもらえるし……。─→ ちゃんと《 家 》にも帰らせてもらえたし……。
出逢う無く、─→ 出逢う事も無く、
無事《 家 》に ─→ 無事に《 家 》へ
命日 ─→ 命日




