✒ 通学路 2
◎ 読者の皆さん、御早う御座います。
「 春のチャレンジ2025 」は、5月15日で終了してしまいましたけど、続きは継続して投稿させて頂きます。
暇潰しのお供に読んでいただけると嬉しいです。
《 コンビニ 》の前を通り過ぎようとしたら、知らないお兄さん達に声を掛けられた。
学生服を着ているから中学生かな??
なんか……ダッサい着方をしてる人達だ。
ファッションセンスをお母さんのお腹の中に忘れて来ちゃったのかな??
小学生の僕が人様のファッションセンスをどうこう言える立場じゃないけど、御愁傷様な人達だよね?
モヒカンとかアフロとか……如何にも時代遅れな髪型をしてるのは何でかな??
久賀瀬千晴
「 お兄さん達、何か用?
僕、急いでるんだけど…… 」
モヒカン
「 よう、ボクちゃん。
お兄さん達に金を貸してくれねぇかな? 」
久賀瀬千晴
「 え?
お兄さん達…………、お金持って無いのに《 コンビニ 》の[ 駐車場 ]に屯ってるの?
小学生を喝上げするなんて…………御愁傷様だね 」
モヒカン
「 喝上げって──。
そんな事してねぇだろ?
優しく話し掛けてるだろぉ~~ 」
アフロ
「 御愁傷様なんて酷ぇな~~ 」
久賀瀬千晴
「 じゃあ、恐喝?
お巡りさんに事情を話せば、お金貸してくれるよ。
向こうに《 交番 》在るから借りて来たら 」
僕は早く帰りたいから《 コンビニ 》の[ 駐車場 ]から出ようとする。
座っていた学ランを着ているお兄さん達が立ち上がって、僕を取り囲む。
一寸恐いかも……。
明らかに弱い小学生を取り囲んで何する気なんだろう??
中学生……よりも背が高いかも……。
見た目と違って幼稚な人達なのかな??
久賀瀬千晴
「 あの……僕、急いで帰らないといけな── 」
頭皮がツルツルで強面お兄さんが僕の背中からランドセルを取り上げる。
僕の黒いランドセルを逆さまにして中身を地面に落とした後、軽くなったランドセルを投げて遊び始めた。
えぇぇぇぇぇえ~~~~!?
何でこんな酷い事をされないといけないのぉ~~!!
僕は地面に落とされた教科書,ノート,筆記用具を拾おうとしたけど、金髪お兄さんが許してくれない。
金髪お兄さんは地面に落ちた教科書を拾って見始めてしまった。
「 オレ等の時と違うじゃん 」とか言いながら見ている。
返して欲しいのに「 返して 」って言えない……。
リーゼントお兄さんがノートを拾って読んでいる。
あのノートはクラスメイトから嫌がらせを受けた内容を詳細に書き留めているネタ帳だ!
やだやだやだぁ~~~~恥ずかしいよぉ~~(////)
久賀瀬千晴
「 それは駄目ぇ!!
返してよぉ~~!! 」
僕はジャンプをしてノートを取ろうとするけど、背の高いリーゼントお兄さんが持ってるノートには手が届かない。
リーゼントお兄さんはパラパラとノートを捲って読んでいる。
兎みたいにピョンピョン飛び跳ねてノートを掴もうとしている僕の様子を見て、他のお兄さん達がケラケラと笑い始める。
リーゼント
「 ボウズ、クラスで苛められてるのか? 」
久賀瀬千晴
「 だったら何?
お兄さん達には関係無いでしょ!
そのノートは返してよぉ~~(////)」
リーゼント
「 ボウズにはちゃんと話を聞いて相談に乗ってくれる大人が居るんだな…… 」
久賀瀬千晴
「 え……? 」
パーマ
「 コイツの妹、学校で酷ぇ虐めに合っててな、去年とうとう自殺しちまったんだ…… 」
久賀瀬千晴
「 えっ……?? 」
金髪お兄さんが教科書,ノート,筆記用具を拾ってくれた。
モヒカン
「 おい、ランドセル寄越せ 」
モヒカンお兄さんが声を掛けるとランドセルが戻って来た。
ランドセルの中に集めた勉強道具を入れてくれる。
モヒカン
「 ほらよ 」
久賀瀬千晴
「 あ…ありがとう…… 」
アフロ
「 友達は助けてくれるのか? 」
久賀瀬千晴
「 え?
………………助けてくれる子なんて居ないよ。
僕、ハブられてるもん 」
アフロ
「 [ 教室 ]で1人なのか? 」
久賀瀬千晴
「 う…うん──。
声を掛けてくれる子も居るけど、意地悪されてる僕に関わったら次の標的にされちゃうでしょ?
だから……僕と仲良くしない様に敢えて距離を置いてもらってるんだ…… 」
金髪
「 なんて出来たガキなんだ…… 」
スキンヘッド
「 担任は助けてくれないのか 」
久賀瀬千晴
「 え……と、先生は知らん顔してるよ。
日教祖思想の強い先生だし、先生に危険視されてるから…… 」
リーゼント
「 教師に危険視されるって、何やらかしたんだ? 」
久賀瀬千晴
「 う~~ん──。
『 世直しの新聞です。学校に関する記事が掲載されてるから読んでみてください 』って渡したら、目の前で破かれてゴミ箱に捨てられちゃったんだ。
次の日から先生に居ない子扱いされる様になって──。
それから嫌がらせが少しずつ始まった感じかな?
日教祖思想の教師ってヤバい人が多いよね 」
リーゼント
「 今時の子供は教師に新聞を渡すのかよ…… 」
久賀瀬千晴
「 お祖父ちゃん,お祖母ちゃんから『 《 学校 》が良くなる新聞だから先生に読んでもらいなさい 』って渡されたんだよ。
先生は読んでくれないけど、[ 保健室 ]の先生は読んでくれてるよ。
『 凄く良い新聞だから、理事長,校長先生,教頭先生,生活指導の先生には読んでもらいたいね 』って言ってくれたから、[ 職員室 ]に行って渡してみたよ 」
金髪
「 中々行動力の有るガキだな 」
スキンヘッド
「 その新聞とやらは読んでもらえてるのか? 」
久賀瀬千晴
「 うん。
理事長,校長先生,生活指導の先生は読んでくれてるよ。
教頭先生は政●新聞を読んでるけど、世直しの新聞も読んでくれてるよ。
良い新聞なのは理解してくれてるみたいかな?
誰でも読める様にって、学校に関する記事のコピーを廊下の壁に張り出して有るし── 」
リーゼント
「 その新聞は今も持ってるのか? 」
久賀瀬千晴
「 有るよ。
今日は新聞を渡す日だったから、余ってるよ 」
僕はランドセルから “ 世直しの新聞 ” って言われてる新聞を取り出して、リーゼントお兄さんに手渡した。
リーゼント
「 ………………こんな小難しい新聞を渡してるのか? 」
久賀瀬千晴
「 うん。
漢字の勉強にもなるから、休み時間に読んでるよ 」
パーマ
「 確かに難しいな……。
書き方が難しいって言うか──、言い回しが難しいって言うか──。
見た事の無い漢字も使われてるぞ 」
久賀瀬千晴
「 昔の漢字も使われたりしてるよ。
漢字は霊感の有る人が作ったから、ちゃんと意味が有るんだよ。
マルクス共産主義の影響を受けて難しい漢字が、どんどん簡単な漢字に変更されて使われる様になったんだって。
先生にも読めない漢字が使われてたりするよ 」
金髪
「 …………ボウズ。
この新聞、貰って良いか? 」
久賀瀬千晴
「 う…うん。
別に良いよ。
《 家 》に帰れば贈答で配布する新聞が沢山あるから…… 」
リーゼント
「 良し。
なら、人数分くれるか? 」
久賀瀬千晴
「 う…うん、良いよ……。
じゃあ、《 家 》に帰ったら新聞を持って来るよ 」
僕は学ランのお兄さん達に手を振って《 コンビニ 》を後にした。




