✒ 通学路 1
──*──*──*── とある日
──*──*──*── 下校中
──*──*──*── 通学路
僕は何時もと同じ様に《 学校 》で決められている通学路を1人で下校していた。
本当は1人で下校したら駄目なんだけど、僕と同じ方向へ帰る生徒が居ないから仕方無いよね。
通り道になっている《 公園 》までは “ キノコンロード ” になっているから、1人で歩いていても安心なんだ。
でもでも《 公園 》から先の道は “ キノコンロード ” じゃなくなるから、気を付けて帰らないといけない。
今日は《 碁会所 》が休みだったりする。
《 公園 》から寄り道しないで真っ直ぐに《 家 》へ帰らないと帰らないと!!
久賀瀬千晴
「 あれ? 」
曲がった先が通れなくなっている。
通行止めだ。
道路が工事中になってるぅ~~。
久賀瀬千晴
「 他の道なんて知らないのに……どうしよう…… 」
こんな時こそ神佛にお聞きして帰ろう。
僕は何時もの道しか知らないけど、神佛は他の道も知ってるよね?
胸の前で両手を合わせる。
久賀瀬千晴
「( 神佛、《 家 》へ帰りたいです!
でも、道が工事中で通れません。
《 家 》に帰りたいけど、帰る為の道が分かりません。
神佛の智恵と力で助けてください!! )」
神佛に御願いすると右手が勝手に動き出した。
方向指示だ!
神佛は方向指示で《 家 》迄の道を教えてくれてるんだ!!
僕はピンッと伸びている腕に従って歩く。
他の人からは “ 変な事してる小学生 ” って見られちゃうかも知れないけど、《 家 》に帰りたい僕は今だけ、恥ずかしさを封印する事にした。
何れくらい歩いたか分からないけど、知ってる《 公園 》に辿り着いた。
《 公園 》に着いた途端、右腕がスッと軽くなって普通に動く様になった。
《 公園 》まで来たら、僕でも “ 1人で帰れる ” って、神佛が判断されたのかも知れない。
僕は胸の前で両手を合わせて、神佛に感謝の気持ちを伝えた。
此処から僕の《 家 》迄は歩いて20分くらいだ。
神佛に細かくお聞きしながら歩くぞ!
──*──*──*── 10分後
──*──*──*── 分かれ道
道が二手に分かれている。
片方は通り道に《 コンビニ 》が在る近道で、片方は通り道に《 コインランドリー 》と《 交番 》が在る遠道。
何時もは近道を通って帰るから20分で《 家 》に帰れるんだ。
ちゃんと分かれ道でも神佛にお聞きして、近道を通って帰っている。
だから、今日も何時もと同じ様に──。
久賀瀬千晴
「( 神佛、今日も近道を通って良いですか? )」
合わせている両手の小指がピクッと動く。
〔 いいえ 〕の合図だ。
何で??
何時もは人差し指が動くのに──。
僕はもう1度、神佛に聞いてしてみた。
合わせている両手の小指がピクッと動く。
〔 いいえ 〕の合図だ。
何でなの??
今日は “ 遠道で帰れ ” って事なの??
でもでもでもっ、遠道で帰ると余分に30分も歩かないといけないんだよ?!
今日の神佛は僕に意地悪だよぉ~~。
30分も歩きたくないよぉ……。
僕は10回くらい神佛に近道を通って良いかお聞きした。
10回もお聞きしてるのに神佛は1度も人差し指を動かしてくれない。
〔 いいよ 〕を出してくれない。
近道を通ったら10分歩くだけで《 家 》なのにぃ~~~~。
僕は神佛に「 御免なさい 」をして、近道を通って帰る事にした。
僕は悪い子だ。
でもでもでもっ、短縮して帰れるなら、皆近道を選んで帰るよね!!
時には自分の思いを優先して、神佛に反発しちゃう事も有るよね!
だって、人間だもん★
神佛だって解ってくれてるよね?
ボクハ、ワルクナイヨ。




