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よろず屋 4品目
怪夢に連れられ茜は草が生え放題の古く荒れた神社にやってきた
「本当にここから行けるんですか?」
「あぁ、ここから行けるで」
怪夢は近くにあった狛犬の像に触れた
するとそこの石の1部がクルクル回り始め異世界へと続く裂け目ができた
「ここから入ると行けるで」
その怪夢の言葉を信じて裂け目に飛び込んだ
怪夢と茜は光に包まれた
気がつくとそこは人では無い者達が沢山いた
黄色い雲で渦巻く空、和風の街並み、見慣れない風景に茜はドキドキしていた
「ここはエール街や。あんたもそのうち慣れるやろ」
「私、もうあの世界に戻れないの?」
そんな不安気な茜の言葉に怪夢ははっきりと答えた
「人はな。うちら神は自由に行き来できるんや。茜もうちらについて行けばあんたらの世界に自由に行けるで」
「そうなんだ…」
茜は元の世界に戻りたかったが戻っても辛いだけなのでこの世界で茜は頑張ることにした
少し進んでいくと小さな商店らしき建物が見えた
「あれがうちの店でよろず屋をやってるんや」
茜は不安を感じながら心の隅でワクワクしていた