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友達はレンタル彼女会社の社長

「【Re:彼女】って・・・俺が利用したレンタル彼女サービスの会社じゃん」

健の家と思い、向かったオフィス。

そこの表札に書かれていた名前は、


【Re:彼女】


表札の下には【代表取締役社長 蒲生 健】という文字も添えられていた。




咲希についた嘘を隠すために、利用したレンタル彼女サービスの会社、Re:彼女。健の住所はここを示していた。


「そういえば...」

昔、健が「会社を立ち上げてみた」という話をしていた記憶がある。どうせ冗談だと思い、聞き流していたが、本当だったとは思いもよらなかった。

確かに遊びに行こうと誘っても、「ちょっと仕事が忙しいから」と言う理由で断られていた。てっきりバイトだと思っていたが、会社を運営していたなんて。


しかも、俺が利用したレンタル彼女の社長が蒲生 健。



「おいおい、どういうことだよ」

健の住所がレンタル彼女の事務所になっていたということは、俺のレンタル彼女の利用を知っていたということになる。

そう考えると、今までの健の言動が少しだけ説明できる。


そもそもレンタル彼女を勧めてきたのは、健だ。

普通、大学生にお金をあげているおじさんを見た時に、パパ活だとしか思わないだろう。そこでレンタル彼女という選択肢があることを教えてくれたのだ。

レンタル彼女の認知度は、まだ世間的にも低く、利用しようと考える人も少ない。その中で、真っ先にその選択肢が浮かんでくるあたり、レンタル彼女の会社を運営していると言われても納得できる。


しかも健と2人で映画を見に行った時にいたのは、レンタル彼女の小瀬川 泉だった。健が運営しているRe:彼女で仕事をしている人に遭遇したのだから、健の頭の中には、パパ活という選択肢はなかっただろう。

小瀬川 泉がレンタル彼女としての仕事中であることを、わかっていたからだ。



そう言われると《小瀬川には関わらないでくれ》というメッセージも少しは説明できる。小瀬川 凛音と書かれていないあたり、レンタル彼女としての小瀬川に関わらないでほしいというメッセージと解釈できる。


ということは...


「凛音は、レンタル彼女の仕事中に何かがあったんだ」


そうとしか考えられない。

プライベートでは関わりのない健が、凛音の身に何かあったことを知る余地もない。

ただ、小瀬川 凛音が、小瀬川 泉というレンタル彼女として働いている時に、事件に巻き込まれたのなら...。

それなら、健がこのメッセージを送ってきた意図も読み取れる。



「つまり凛音は...」

俺が核心に気づく直前で、目の前の扉が勢いよく開いた。


眩しい光が俺を照らす。かろうじて目を開くと、そこには


「涼、小瀬川には関わらないでと言っただろ!」

いつもとは雰囲気の全く違う蒲生 健が立っていた。


相当仕事が忙しく、ストレスをぶつける場所がないのだろう。

穏やかでハンサムな表情とは対照的に、激を飛ばす健の髪は乱れ、眉間にシワがよっている。

どうしてこんなにも怒っているのか俺には理解が出来なかった。


「健!一旦、落ち着け。俺は小瀬川の友達だ」

すると健は間髪入れずに、

「レンタル彼女は友達じゃないぞ!」

と怒鳴った。


あ、そういうことか!

健はきっと俺と凛音の関係を誤解している。

レンタル彼女を借りた人が、凛音の無事を確かめに来たのだと勘違いしている。だが実際は、小瀬川 凛音の幼馴染だ。

そのことをきちんと説明しないといけない。


「涼!お前は小瀬川 泉の何なんだ?彼氏だと誤解していないか?」

俺は健に負けない気迫で答えた。

「小瀬川 泉の彼氏じゃない、小瀬川 凛音の幼馴染だ!」

俺が小瀬川 凛音の名前を出した瞬間、ハッとしたような顔をした健。


だが、それも一瞬で

「じゃあ、お前はなんで幼馴染をレンタルしようとしたんだ?」

「それは・・・」

俺は隠してもどうしようもないと思い、咲希に見栄を張ってついた嘘を隠し通すためにレンタル彼女を借りたら、幼馴染の小瀬川 凛音が来たことを伝えた。

すると、


「それが本当かどうかはわからないけど、涼の言うことだ。一応信じてみる」

と納得はしてくれた。


少し健目線から考えてみると、俺って結構やばいやつに見えていたかもしれない。

健からしたら、ただの友達にレンタル彼女を紹介しただけで、レンタル彼女のことを彼女だと勘違いし、無事かどうかを確認するメールを大量に送りつける迷惑ユーザーだ。

一応、幼馴染ということを信じてもらったが、恐らく健も半信半疑だろう。


レンタル彼女を借りたら、幼馴染が来るなんていうことなんて、あり得るわけがない。だけど、実際にあったのだ。



「まあ、涼。お前が幼馴染だということは信じてやる。だが、これは小瀬川 凛音の問題ではなく、小瀬川 泉としての問題なんだ」

小瀬川 泉としての問題?

やはり俺の読みどおり、凛音はレンタル彼女の仕事中に事件に巻き込まれたのかもしれない。

とはいえ、俺は幼馴染が何日も家に帰っていないのが心配だ。


「健、少しで良いから教えてくれないか。今、凛音がどうなっているか」

俺は健に頭を下げた。すると、


「俺は見ての通り、企業の社長だ。だから守秘義務は守る必要がある。だが俺の友達であり、小瀬川 泉の幼馴染である涼に何も言わないのは可哀想だ。だから少しだけなら伝えても良い」



「頼む!」

健は「しょうがない」と呟くと、衝撃の事実を言い放った。




「小瀬川が病院に運ばれたんだ」


読んでいただき、ありがとうございました!

「続編が見たい!」という方は、ブクマ登録・評価もよろしくお願いします!


急展開ですが、まだまだ山場は続きますよ!

明日も投稿予定なのでお楽しみに!

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