表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

#1 友人には用心を

※ストーキング、ストーカー行為は犯罪です。くれぐれも真似をしないよう、お願い致します。

部屋に入り、見渡す。

その部屋は壁一面に自分の画像が貼られていた…。

――――――――――――――――――――――――

キーンコーンカーンコーン

「よっしゃ終わったー!」

「相変わらず騒がしい奴だなぁ…」

「うっせ、それより飯だ飯」

授業が終わり昼休みに入る。

日頃の学校生活の中で思いっきり羽をのばせるのはこの時間ぐらいしかない。

「お前は今日購買行く?」

「うーん…俺はいいy…」

俺が言葉を言い終わる前に目の前を人が通り過ぎる。

黒く艶のある長い髪。

その長い髪を後ろで束ねてポニーテールにしている。

一目見ただけで分かる。

「彼女」だと。

その瞬間、俺は言おうとしていた言葉を呑み込み新たに言葉を発した。

「…やっぱ俺も行くわ」

「お前が購買に行くなんて珍しいな、もしや弁当忘れたな?」

「ちゃうわ」

「じゃあまたなんで?」

「久しぶりに行きたいんだよ」

我ながら苦しい言い訳だと思う。

「ふーん、まぁいいやさっさと行くぞ!」

「おう」

――――――――――――――――――――――――

(さて、どこへ行ったのだろうか?)

俺は完全に「彼女」を見失ってしまった。

「おばちゃんー!焼きそばパン1つー!」

「あっ、俺も焼きそばパンで」

(まぁ…しつこく付き纏ったら、それこそストーカーみたいだしいいか。)

「はい焼きそばパンね。2つで240円」

「んじゃ…これで!」

「はい、ちょうど240円ね。ありがとうございました。」

俺たちは昼飯を買い終え、教室へ戻った。

「それにしても…」

「ん、どうした?」

「いや、なんでもない」

(結局会えなかった…)

「そういえばさ」

「ん?」

「お前って月潟さんの事、どう思ってんの?」

(っ…!)

一瞬動揺したが、すぐさま冷静さを取り戻し答えた。

「なんでそんな事聞くんだ?」

「いやお前、いつも目線が月潟さんの方に向いているって言うか…なんか気にしてんのかなと思って」

「…いや別に?」

「そうか…ならいいか!」

(こいつ…単純だと思ってたけど案外侮れないな…)

「それにしてもお前はいいよなー」

「なにが?」

「俺より成績が遥かに上ってことだよ!」

「…そうか?別に普通じゃね?」

「うわ、ムカつくわー、俺この前のテスト半分ぐらい赤点だったんだぞ!」

「それは勉強しないお前が悪くね?」

「それ、俺が勉強しないことを知ってて言ってるか?」

「それは悪かった」

(まぁ…俺も叶わない相手がいるけどな…)

世の中には他に天才と呼ばれる人はいるのだ、そんな人たちに比べたら、俺はまだまだ凡人だな…

そう思いながら、俺は焼きそばパンを食べ始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ