皇太子ルートを思い出す。2
逃げたい気持ちが先走ってます。
自室へトコトコと向かいながら、とりあえず婚約者の立場は回避出来たと安堵する。
そこまで性格難ありでなければ、正直害の無い男ではあるのだが…。
ノーマルとハッピーだけのエンドであれば、私とてここまで警戒しない。トゥルーを見てしまっているから、警戒するなと言う方がおかしい。
トゥルーで初めて描かれるレオナルドの真の性格はドSなのだ。
ただでさえ、感情の起伏が乏しく色が見えないという状態でも大概なのに、そこにドSをぶっ混むとか、どんだけ盛り込みたかったんだ製作陣。
トゥルーでは、「骨の髄まで虐め愛し抜いてあげる。」的な描写が非常にあからさまに描かれていた。
画面越しにガクブルした覚えがある。
何故だかそれがファンの心をわしづかみにし、人気ナンバーワンのキャラだった。
クリアファイルに団扇、キーホルダーにボールペン、ノートや抱き枕等々バカ売れで、挙げ句添い寝CDまで出たときは純粋にスゲーと思ったもんだ。
まぁ、私も好きな大人気声優さんが声を担当されていたから、その力も大きかったのかも知れない。今のレオナルドの声はあの声のままなのだろうか…、少し気になる。
気にはなるが、決して仲良くはなりたくない。いくつの時から色が見てなくなったのか、ハッキリ描かれていなかったはずなのだ。
正直わからない。
そんな状態でレオナルドに会うのは危険だ。
ただ、三大公爵家の中でレオナルドと歳が近く婚約者となりえるのは、私しかいない。
お父様もそれで肖像画を持って帰ってきたのだろう、私が気に入ると見越して。
とにかく最初のターニングポイントは無事回避できた。
実は私は既に魔法を開花させている。
嫌でも王立魔法学園に入学しなければならない。
入学まで8年、それまでに目立たず近寄らず目に留まらず、婚約者にならなければきっと大丈夫!学園に入学したら、勝手にさっさとヒロインと恋愛してくれれば良い。
ーーーーー私はのほほんとそう考え1番の山場を越えた気でいた。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。