閑話 レオナルド視点 2
それから4ヶ月後、弟のアダムの婚約者が決まったと母から聞かされた。
アダムとは1つ違いで髪色が少し違う以外ほとんど見た目が変わらない。双子とも間違われるのだが、しかし、僕は常に無表情で敬語、使用人に影で「鉄面皮」とも言われ近寄り難く思われているているのに対し、アダムはいつも朗らかで、笑顔も絶えない明るい奴なのだ。
別にどうこう思う事もないが、いつも悩みがなさそうで楽しそうな姿は羨ましくないと言えば嘘になる。
だからとて、兄弟仲が悪いとかはない、自分ではごく普通の兄弟だと思っている。
母曰く、アダムの婚約者は辺境伯の令嬢だそうだ。いつの間にと思ったが、大方宰相辺りが推してきたのだろう。
別に僕に婚約者がまだ決まっていない事に僕自身焦りは無かった、なのに母を含め周りが一気に焦りだしたのだ。
特に我が帝国に置いて、貴族同士の派閥がハッキリ別れている訳ではないけれども、僕よりアダムを次期皇帝にしようとする勢力は、宰相を中心にあったりするからな。
大人の都合とか、本当に面倒くさすぎる。勝手に言い合いをしてくれていれば良いものを、無理やり巻き込まないでもらいたい。
そんなこんなで降って沸いた『お茶会』だ。お茶会と称して僕の眼鏡にかなう相手を見つけろってことらしい。
当日まで、本当にどうでも良かった。彼女に会うまでは。
当日。形式上、招待客の入場は身分の低いもの達から入れられる。高位貴族を長時間待たす訳にはいかないのだから当たり前だが。
入場毎に家名と名前が読み上げられる。ぞろぞろと子供達が入ってくる。
最後にアルバイン公爵の令息と令嬢の入場を知らせる声が響いたので、タイミングを見計らい僕とアダムも入場した。
適当に今日の挨拶をして、通過儀礼とばかりに三大公爵の子から僕達に挨拶に来た。
そこでまたしても僕は衝撃を受けた。
順番的に次はアルバイン家だったので、目を向けてみると、まるで、対の人形の様に綺麗な2人が何となく嫌そうに此方に向かって来た。と思ったら、兄の方はまともに挨拶してくれたが、妹の方は必要最小限の言葉だけ発してさっさと戻っていってしまったのだ。
目すら合わせてくれなかった。
そんなことあるか?そう思いしばし固まってしまったのである。
横にいるアダムも面白そうに「珍しいご令嬢も居たもんだね。」と言っていた。
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