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やってきてしまった『皇室主催のお茶会』と言う名の皇太子の婚活。5

えっっっっっっらい時間を掛け、ガタガタと音をたてて馬車は進む。馬車の窓から外を見ると、さまざまなデザインと家紋を付けた馬車が同じ様に皇居に向け進んでいる。


きっと、この中には親の期待を一心に背負った子達が居るんだろうなぁと思うと、先程までの私の悩みがなんてちっぽけだったんだろうと思えた。


そうこうしている内に馬車は止まり、ダニエルお兄様のエスコートで馬車を降りる。目の前には豪華絢爛な佇まいの皇居がそびえ立っている。


皇居と言うのかある種の要塞と言うのか…ウィスタリア帝国のシンボルであるグリトニル宮殿だ。


城壁の周りには幅が広くて深い堀がめぐっており、要塞感半端ない風貌なのだが城壁より中の宮殿はファンタジー感溢れた城だ。


城壁も宮殿の壁もウィスタリアの名に相応しく藤色で、屋根は赤みがかった紫色で塗られている。


前世で見た夢の国にそびえ立つガラスの靴がチャームポイントのお姫様と同じ名前のお城によく似た宮殿である。


いつも自分の部屋の窓から見ていたとは言え、間近で見ると大迫力だ。


そのまま宮殿に入り、フットマンに二人分の招待状を見せると「こちらです」と案内された。


開け放された大きな扉を潜り抜け見た広間はとんでもなく広い。軽く1000人は入れそうだ。


キャラメル色とチョコレート色とで描かれた幾何学模様の床は磨き抜かれてキラキラと天井を映しており、左右にズラっと並ぶ柱からアーチ状に広がる天井には、等間隔にシャンデリアが奥までずっと続いている。


聞いた所によると、シャンデリアの光源は蝋燭でも電気でもなく、『光の闇玉』というどっちやねん!とツッコミを入れたくなる様な魔法アイテムらしい。


これは皇室でのみ使用を許された代物で闇魔法の一種なのだとか。闇が光を吸収する特性を活かし、日中太陽光電池よろしく日光に当てていると、夜には幻想的な光を放ってくれるんだそうだ。


こういう所を見ると、つくづく魔法の世界に来たんだなぁとしみじみ思う。


しかし本日はお子ちゃまのお茶会。シャンデリアをつけずとも温かい日光の日差しが広間を明るく照らしているので実物を見ることが出来ないのが少し残念だ。


「アルバイン公爵家、ダニエル様、レティシア様、ご入場!!」


私とダニエルお兄様が入場すると、入り口に立っていた近衛兵がそう大声を張り上げた。


声の大きさにビビりつつ中を見渡せば、先に来ていた子供たちが私達のために道を開けてくれる。


子供だからルールも何も無く、勇気の有る子や良く分かっておらずただ友達を作りたい子などが次々と挨拶をしてくれた。


一人一人に挨拶を返しながら、ダニエルお兄様に連れられるまま広間の奥まで漸く到達すると、まるで待ち構えていたかの様にレオナルド殿下の入場が告げられた。

ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

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