ヘンリーお兄様に魔法の特訓をしてもらいます。1
早速魔法のお勉強始まります。
ヘンリーお兄様は快く魔法のコントロール方を教えてくれる事を承諾してくれた上に、早速次に日から時間作ってくれる事となった。
そして現在、我が家の魔術部屋にてヘンリーお兄様に絶賛扱かれ中である。
「レティ!さっきも言っただろう?力任せに物理的に腕を振り回すんじゃない!どこぞの僻地の部族の舞踊もどきをしても始まらないよ?体の内側に有る魔力を体内で循環させるイメージで、呼吸を整えながら自分の魔力を感じるんだ。」
「イメージはっ、しているんっ、ですけどぉ!………………なぜか体も動いてしまいます。」
項垂れて肩を落とす。
ヘンリーお兄様が言うことを頭では分かっているつもりなのだが、循環させるイメージでと言われても、動体部分はなんとなくイメージが出来ても、手足となるとなぜかラジオ体操と太極拳とバレエを足してシャッフルした様な非常に残念な動きを無意識の内にしてしまい、勝手に一人で息が上がるという虚しい事になっている。
途中休憩を挟みながらもかれこれ二時間ぐらいおんなじ事をやっていた。
この魔術部屋、屋敷の一角に設けられており、両開きの大きな扉には我がアルバイン公爵家の紋章が刻まれている。
扉を開けると中は水色の壁と天井に青い床、大理石の様にツルッとした光沢がある。
部屋の広さはおおよそ二十畳ほど。
窓は無いが不思議と閉塞感は無い。
そんな部屋の真ん中に円形に造られた、直径5メートルの水盤が有り、水を静かにたたえている。
その水が静かに波打っているのが悲しい。
今日は初日なので、自分の魔力を感じる所から始めようという事になり、始めたは良いが…という所だ。
「なんと言いますか、ヘンリーお兄様が仰る様な、体内に流れる温かい水の流れと言うのがどうもよくイメージしづらいんです。」
「ふふ、顔も百面相していたものね。くふふふふ。」
「そんな笑わないで下さい。」
「ごめんごめん。でも、水のリボンは出来るんだよね?それが出来るんだから、そこまで変に力む必要無いんだけどな。その魔術も地味だけど結構難しいんだよ?地味だけどね。」
「そんな地味地味言わないで下さい。魔術の先生に見せて頂いて、どうしても創りたいと思ったんですもの。」
前世で私が大好きだったファンタジー小説の中で、登場人物が術の練習でやっていたシーンと同じ物が出来た時は我を忘れて大はしゃぎする所だった。だからどうしてもやってみたかったのである。
「一度やってみて。」
「分かりました。」
私は水盤に体を向けた。
水盤に下向きに両手をかざす。さっきまで冷たかった水面がホワンと温かくなった様に感じると、両手に吸い付く様に水がスルスルと二本伸び上がってくる。そうなると簡単に掴めるので、優しく掴んでキュッと結ぶ。
今までは両端は水盤と繋がっていたのだが、最近持ってみたいと思い金魚鉢を思い浮かべたら切り離して持てる様になった。
そこまでやって、ヘンリーお兄様に向き直った。
ここまでお付き合い頂きありがとうございます。
更新遅くなりました。すいません。




