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氷
思い付きで書き始めました。楽しく書いていきます。
気づくとそこにいた。
自分の名前も、親も、ここがどこかも分からない。
分かるのは、ここがとても寒いところだということだけ。
そして、自分が意識を失いかけていると、いう、こと・・・
急に倦怠感に襲われ思考が止まる。
少年は体に力が入らなくなりその場で倒れた。
立とうとしたが、やはり体に力が入らず、それどころかどんどん力が向けていく。
そして徐々に眠たくなり、瞼が重くなる。
音はもう、耳には届いていなかった。
「・・・このまま、死ぬのだろうか?」
かろうじて出した問いかけに応えてくれるものは当然、誰もいない。
しかし風前の灯のように、揺れ動きかすれる視界と意識の片隅で、それをみた。
凍った大地をザクザクと踏みしめながら、こちらに向かってくるその男を。