ルール説明
「どうも全人類の皆様お久しぶりです。」
そんな他愛ない挨拶から始まったそのビデオは我々人類に絶望感をもたらした。
周りがざわめき出す。
「あれ、50年前に行方不明になったって言う土間一路じゃないか?」
ヤスが言うと、ケミが不思議そうな顔をして言った。
「でもあの人教科書通りの顔だよね。」
そう奴は年を取っていないのだ。
「とりあえず最後まで聞こうぜ。」
そう言ってまた。掲示板を見た。
最初の挨拶をしてから奴はなかなか喋らない。そして1分ほどだった時また口を開いた。
「君たちは冷静に話を聞くことすらままならなくなったのかい?人が話しているときは静かにするようにと習っただろうに、ほんとに呆れた人類だ。」
そういわれると、聴衆は黙った。
「静かになったところで僕がなぜ話しているかの説明をしよう。まあ端的に言うと、きみら人類を処分してしまおうと言う話だ。表向きは、技術の進歩により全て機会が世話をしてくれる施設という建前になっているが、実は違うんだよ。
ここは100年前に、地球の様々な資源が枯渇し、自然破壊が急激に進んだせいで住めなくなった地球だったが移住する星の目処がなかったため一時的にこの施設を作り星が見つかればすぐにでも飛び立つと言う計画のもと作られたこの施設だったが、案外住みやすかったらしく星を探す計画は終了した。しかしこの計画は、極少数の国が作った施設のため70億を超える人類すべてを入れるには至らなかった。そのためこの施設は10億人程度しか人間がいないわけだ。他の60億人は、なんとか入れてもらおうとあれやこれやしていたが、無残にも皆殺しにされた。そんなこんなでできた施設だが僕は、人間の大半が嫌いでね。僕は決めたんだ。何年かこの施設の様子を見たのち、人類があの時以上に退化したら皆殺しにしようと、だから僕はこの施設を作った後施設の中枢に僕をコピーした。そして、頼れる人間も数人コピーし君たち人類を ひるいにかけようと決めた。」
そう言ったところで、聴衆の不満が爆発した。
「ふざけるな何がふるいにかけるだ!そんなこと許されるわけ、」
「ドンッ」
怒鳴っていた男性がその音と同時に血を撒き散らしながら倒れた。
「僕は嫌いなんだよ。そこの彼みたいになんの努力もしていなくて、なんの成果も出せないような人間が。」
そういうと、聴衆がまた静まり返った。
「じゃあルール説明に移るとしよう。君たちが助かる方法は1つ、半年以内に、僕の用意した人たちが守る施設を破壊したのち、僕のとこに来てたらそっちの勝ち、逆に期限以内に僕のとこまで来れなかったらそっちの負けだよ。負けた人たちは皆殺しだから頑張って。僕がいる場所は教えないけど僕の知り合いが守る施設を、この後配信するね。」
そういうと掲示板もろとも消え去った。
「なるほど、そんなこと考えてたのかよ。」
僕がひっそりと言った。
「あれってマジだよな・・・」
ヤスが言った。
「じゃなきや急に人が死んだりしないだろ。」
僕が言う。
「そういえば、ソラは土間について興味あって調べてたよね?何か手がかりはないの?」
ケミが言う。
「それがいくら探してもあいつの昔の資料が出てこなかったんだ。多分意図的に消されてたんだと思う。」
僕がそう言うと、後ろから聞き覚えのある嫌な声が聞こえた。
「あら、いつも図書館に来ていたのに欲しい資料は1つも手に入っていなかったのね。」
そこにいたのは、南波志帆だった。
「相変わらず、相手に気を使うってことができないらしいな。」
僕がそう言ったが、顔色1つ変えずにこう言い放った。
「あなたじゃなければもう少し気を使うわよ。」
「そおかよ。でも確かにお前の言う通りあんな時間かけたのに俺は教科書以上の情報を集められなかったのは事実だ。」
そんな話をしていると、メールが届いた。
「君らが潰す施設の一覧だ。頑張って潰してくれたまえ。ちなみに後半年は、今まで通り機械が稼働する。壊す順番は考えた方がいいよ。」
そんなメールとともに、施設の一覧が記入された。ファイルが添付されていた。
1つ目、食品製造施設
2つ目、巨大電波塔
3つ目、中央発電施設
4つ目、液体生成場
5つ目、ロボット生産工場
6つ目、セントラルステイション
7つ目、気象管理施設
(備考)七つの大罪にちなんでななこにして見ましたが特に、割り振りがあるわけではないので期待しないでね。
後これの順番は攻略の難易度順だから目安にしてね。
「なるほど、どれもなくなると生活に支障が出る施設だな。」
僕が言うと、ケミが続いた。
「しかも全て、相当な間隔があるから交通機関が麻痺した時に半年じゃ周りきれないかもしれない。」
「なるほどね。ただ闇雲に突っ走られたら半年経つ前に自滅する可能性もあるってことね。」
難波志帆が言う。
「ああ、簡単だからと言って速攻食品製造施設ぶっ壊したら半年も持たないしな。」
ヤスが続いた。
「ロボットの変更ってどれくらいの感覚だっけ?」
ケミが答える。
「物にもよるけど.2〜3ヶ月に一回だったはずだよ。」
「そうしたらどっから攻めりゃいいんだ。」
ヤスが言う。
「そうか!」
僕が言うと南波志帆が聞いた。
「何がそうだなの?くだらなかったら許さないわよ。」
「攻めるにあったて必要な事と物はなんだ?」
ケミが答える。
「武器と作戦?」
「そう。この半年という期間は、攻めるだけに使うにはあまりにも長すぎるんだ。」
難波志帆が続く。
「なるほど、3ヶ月で武器と情報の収集と、それらを元に作戦を立て、人員を配置するわけね。」
「そういう事。他の連中もこれに気づけば問題ないが、」
読んでくださりありがとうございました。引き続きお楽しみください。