第7章 宇宙統一理論より 其の2 遠ざかる太陽
そもそも質量保存の法則を第一に「信じる」のであれば、
ビックバン理論など最初から信じてはならない。
次元理論では始めに「無が存在する事を理解して頂きたい」と
お願いした。
しかそれ以外に理解する事など何一つないのだ。
後の全ては
順を追って解読すれば、
誰もが認識できる必然の世界である。
そして無というただひとつの現実から世界が始まるということは、
世界はひとつの力学に統合されるということである。
それはもちろん「科学も人間の心も」である。
〜〜第6章 宇宙統一理論より〜〜
では著者の蛇足となるかもしれないが
「空間が原子に変わる」
という現実がまだ納得できない方のために、
ここでもう1章書きくわえておこうと思う。
(正確には4次元世界の空間が
5次元世界の物質へと切り出されるのである。)
実験で「空間をあつめて原子をつくりだす」などということは、
おそらく誰にもできないことである。
けれども「原子を破壊して空間の発生を確かめる」
という方法であれば、
その検証は十分に可能ではないだろうか。
そこで著者は、ここに一つの実験を提案する。
その「空間の解放実験」の方法は、
最初に中心部分に破壊の対象となる原子、
この場合は核力の弱い水素か、
すでに壊れかけた原子などを設置する。
つぎにその原子が、強い爆風でふき飛ばされる事のないように、
複数の強力な起爆剤で立体的にとりかこむ。
最後にその起爆剤からの複数の衝撃波が、
同時に中心の原子へと衝突するように、
発火のタイミングを正確にはかる。
以上である。
要は強力な物理学によって
壊れかけた原子をすりつぶすのだ。
いかがだろうか。
じつはこの実験、人類によってすでに行われている。
もちろんその実験結果についても、
我々のよく知るところである。
これは「空間穴」の物理的破壊を目的とする「核実験」である。
(注・実際の核実験では、破壊の対象となる原子に起爆剤によって加速度を
あたえ、さらに中心部分で衝突させるという、もう少し複雑な手順をふむ。
恒星内部において核融合反応が発生するのは、
この人工的な加速度のかわりに、
重力による空間の収縮圧が原子に加わるためである。
重力が原子に核融合反応を引き起こすのだ。)
核兵器によって発生する衝撃波は
通常の爆発物とはことなり、
宇宙空間でも有効な事が予測されている。
核兵器は将来的には、
地球に衝突する可能性のある天体を宇宙空間で破壊、
もしくは軌道修正するために有効とされる、
人類の盾という側面も持つ。
(しかしその事によって著者は、
核兵器を肯定するわけではない。
これは空間波の引用を目的とした記述である。)
これは核融合反応によって発生する衝撃波が、
大気などの「物質」の振動によって伝わるものではなく、
「空間自体」の振動に類するものだからである。
そして物質を媒体とせず空間自体に伝わる力、
これが太陽風もしかりの「空間波」なのだ。
このように原子から発生した新しい空間は、
周りの空間を押し出す力として周辺の空間にも伝わり、
あたり一面の空間に「空間波」を発生させる。
したがって太陽系のすべての惑星は、
太陽からふきだす「空間波」、すなわち「太陽風」の中を、
「遠ざかる太陽」に向けてつねに落下しつづけていることが分かるのだ。
つまり太陽風は「空間密度の変化」としてあらわれる
空間の流動現象である。
ほぼ真空といわれる空っぽの宇宙空間で、
なぜ風がふくのと同じような現象がおきるのか。
たしかに彗星の尾は太陽風に流されて、
太陽とは逆の方向にのびている。
しかし光や電波に物を動かす力はない。
あるいは太陽からふきだすガスだとしても、
それはあまりにも希薄すぎる大気である。
つまりこれは太陽からのエネルギーの流出という言葉では、
片付けることの出来ない問題なのである。
太陽系では、太陽風として「全ての空間は流されている」。
そのために全ての惑星の軌道は楕円形をえがき、
彗星の近日点も毎回移動する。
惑星がその周回軌道において
毎回同じ場所に戻るように見えるのはみせかけであり、
実は太陽系の全ての天体は太陽に向けて常に落下を続けている。
膨大な空間を噴出しながら遠ざかる、太陽に向けて、
ゆっくりと落ちながら、
同時に太陽風に乗ってゆっくりと太陽系の外側に向けて
流されているのだ。
このために我々の暦には「うるう時間」が必要となり、
惑星を引っぱる未知の重力が検出されたのである。
我々の太陽系では「太陽の方角にむけて」
空間はつねに広がっている。
この空間の歪みが、
現状の宇宙科学ではまだ捉えきれていない太陽系の構造である。
では先ほどの実験結果にもどり、
この爆発が地上でおきたと仮定して、
さらに「空間の発生」が確認できたとしたら、
つぎには一体何がおきるのだろうか。
検証してみよう。
まずは増加した空間の体積分だけ、
大気の密度は低下する。
そして出現するのは「低気圧」である。
急激に発達した低気圧は局地的な集中豪雨をよびこむにちがいない。
さらに大規模な爆発があった場合には、
今度は大型の低気圧が発生し、
気温までもが低下、季節を冬に変えることも起きるかもしれない。
これは核の恐怖である黒い雨、核の冬のその要因のひとつになる。
そしてこの現象こそが「太陽黒点」の出現理由とも
まったく同じ原理をもつのだ。
「黒点」は太陽のほかの表層よりもその温度がひくい。
一見、太陽の活動低下にともない黒点は出現するものと
思われるかもしれないが、実際は逆である。
黒点は太陽のもつ周期的なバイオリズムにおいて、
その最盛期にこそ一番数を増す。
つまり太陽活動が活発な時ほど黒点が多く出現することは、
太陽内部における空間の爆発的な膨張(発生)にこそ由来する。
活発化した核融合反応における
「急激な空間の発生」とその膨張は、
黒点部分での空間密度をいちじるしく低下させ、
その分表層の温度も同時に低下させる。
そのために黒点部分では、
太陽内部の磁力線がその外がわにまで溢れ出したのである。
これは黒点発生の「原因」ではなく、
その「結果」である。
したがって黒点周辺での「強い上昇炎フレア」の出現も、
当然の出来事なのだ。
そして太陽自身の重力がひきつける太陽周辺の空間を、
太陽内部で発生した新しい空間がおしかえすその場所で、
超高温の「コロナ」は発生する。
コロナの空間密度は、
おそらく太陽系では太陽の中心部についで
高いはずである。
よって地球と太陽間の距離(1天文単位)も、
太陽系の大きさ(太陽圏)も、
太陽風の状態によってはつねにその距離を変化させるはずなのだ。
物質(原子)のもつ重力は
「空間をひきつける力」である。
そして物質は4次元時空の空間に浮かぶ、
ひとつの次元世界である。
4次元時空の空間も
5次元物質世界の重力によって引きつけられるのだが、
4次元時空には体積(量)の概念がない。
そのために重力源へとむかう4次元空間の流れが止まることはなく、
それは引力の概念として、その場所に力をあたえつづけている。
この「空間の流れる範囲」が重力圏であり、
4次元時空に浮かぶ物質世界も
常に重力の流れに乗ったままで存在する。
対して物質世界の空間には体積(量)の概念があり、
それは重力によって収縮するものであり、
我々の宇宙に空間密度の相違をつくりだしている。
さらに重力流が落ち込み、空間密度が一番高いその場所には、
ほとんどの場合つねに恒星が位置し、
核融合反応によって
重力流とは逆向きに流れる5次元時空の空間流を発生させる。
これが「太陽風」である。
これは主に太陽に代表される恒星の内部から始まり、
4次元時空から切り出された空間が
5次元物質世界を押し広げる太陽系の外側へと向かう流れである。
このように恒星周辺には、重力流と太陽風の
2つの真逆の空間流が存在する。
このような「原子が空間を発生させる、その逆もしかり」という説は、
まだ本格的な検証をされたわけではない。
したがって今後は当然、常識的な反論も出てくることだろう。
けれども次元理論では
「次元世界の構造を理解する」ことによって、
「空間=原子」という理論は先立つ結論として生まれる。
そして今ここに著者が記した「太陽系のしくみ」は、
たった一つの次元理論によって
宇宙に描きだされた太陽系の姿なのだ。
それは科学者たちが苦心の末に作り出してきた
それぞれの個別の仮説を、
おおむねその内がわへと包みこみ、
より統合された太陽系の姿をうつしだしている。
だからこそ「次元共有の大原理」という
「この世界のただひとつの現実」が、
この宇宙を創造した証拠にもなるのである。
さらにその原理は
この宇宙全体の天体の活動を統括する。
歴史上「原子=空間」に最も近づいた物理学者は、
「原子=エネルギー」を導きだした
アルバート・アインシュタインである。
(次元理論ではエネルギーは空間に変換することができる。
そして光速度も、空間と時間の概念をその内側に含む。)
しかし彼には、上記に類する実験方法の提示という問題のために、
戦時中という時代背景では
その事実を公表できなかった可能性もあるのだ。
もちろんこれは著者の希望的な憶測である。
けれども「次元理論」を考察するにおいて、
彼の残した探求は決して外すことのできない指標であった。
彼の「等価原理」は
「力と物質」の間だけに適応するものではない。
完成した等価原理は
「時間」や「空間」、「物質」、他にも「重力」など
全ての力学とあらゆる存在を等価とする。
存在の等価原理、
これも大統一理論のひとつの形なのだ。
しかしそれでも「切りとられた空間が原子である」という現実は、
著者にとっても衝撃的な認識であった。
「次元世界の起点」となる概念は実体であり、
あらゆる次元世界においての「存在する無」である。
しかし我々がたしかに存在すると信じていた「物質」までもが、
「無である空間」と同じとは、
一体誰に予測することができただろうか。
「あるのにない、ないのにある」という「存在する無の概念」が
「存在する物質」である。
それは「無」や「点」、「今」のように、
我々がその経験によって認識できる範囲にはない。
けれどもこの「物質」が「無」とつながったとき、
「この宇宙には何も存在しなかった」という次元理論の大前提は、
宇宙を統合する。
この世界に一本の道すじが見えはじめたのである。
全てをひとつのものとして、同じものとして繋げるために。
人間のはかなさ、命のはかなさを知る我々は、
この世界も同じ「はかなさ」をもつことを理解するだろう。
あなたと同じなのだ、この世界は。
その上で我々は、次元理論によって
「無」が「無限大」と同じであることも
すでに学んだはずである。
人間の無限大の可能性、
命のもつ無限大の可能性を知る我々は、
この宇宙の本当の「可能性」に
ようやくたどりつくことが出来たのだ。
この宇宙も我々人間も、
ひとしく「物質」で構成された同じ「存在する無」である。
それは空間の重なりにすぎず
完全無と同一の「無の集合体」である。
生まれ、成長し、
次の時代を築き、そして残して広がる。
より強く、よりたくましく、
世界のベクトルは拡大を続ける。
これは人間も命も物質も宇宙も「同一のもの」ということであり、
我々は全く同じ原理を持つ同じ存在なのである。
「無」を理解する者のみがこの世界を知るとは、
正にそれを知ることであった。
これは信仰ではなく、思想でもなく、純粋な科学である。
「無」を理解する「次元理論」だからこそ、
この結論を導きだすことができるのだ。
さて次章では、
宇宙統一理論はその理解する範囲を太陽系の外側、
銀河系よりも遥か遠方へと向けていく。
この宇宙の真実の姿にせまる、
宇宙統一理論の最終章である。