天界大パニック!大女神の償い
〈天界〉
「此処が天界となります…どうぞ手をお離しください」
レティが言う どうやら目的地に到着したようだ
「やっとついたか…ここで間違い無さそうだな…」
天界は大邪神が住む冥界とは対照的に虹色に輝く空と黄金色の雲 綺麗な清流と花畑があり 典型的な天国の風景だった
「さあて…能力の使い方の練習も兼ねてデモストレーションといきますか…」
達也はスキルを発動した
〈天変地異の術〉
破壊 殺戮を伴う異常現象を発生させる(イメージによってそれぞれの災害が発生する 規模も自由にイメージできる)
達也は頭の中でどのような天災を喰らわせるかイメージした
「よし…これでいいだろう…」
そう言い右手を空に上げた…すると空から20個の隕石群が天空から落下してきた
ズドドーン!(隕石群が天界に衝突)最小規模での災害をイメージしたのだがそれでも相当な威力だった…レティは冷や汗を流し達也は
「まだまだ完全にコントロールはできないか…」
とぼやいていた
天界に無数の爆発音と衝撃波が響いた
「レティさんアリシアとの決着は自分で着けたいからここで待っていてくれ…何度も言うが大丈夫だ殺しはしない」
と言いレティを残し1人で神殿に向かうのであった
〈天界 アリシアの神殿〉
「う〜ん 何とも言えないこの香りたまりませんわ〜やはり紅茶はこうでないと折角のティータイムが台無しですわ」
優雅に自分の部屋で紅茶を啜る女性…そうあの大女神アリシアだ
ドッガアアアン!!!ガッシャーン!突然神殿の外から巨大な爆発音と衝撃波で神殿の窓ガラスが割れ
「Σきゃあ!?」
倒れるアリシア、床に持っていたティーカップが落としてパリーン!という音と共に割れた
「い…いったい何事…⁈平和な天界に何が起きたの…⁈」
さすがの大女神でも、この突然すぎるこの状況には理解できず慌てていると
「アリシア様!大変です!何者かが襲撃を!」
アリシアの部屋のドアを開けてこう叫ぶ部下の天使
驚いたアリシアが神殿の外に出てみるとそこには衝撃的な光景があった
警護をしていたはずの部下の天使は全員瀕死の重傷となり倒れている
「こ…これはいったい…?」
アリシアが焦っていると
「ぐぁぁ…!あ…アリシア様…逃げて…くださ…ぐ…」
アリシアを連れて来た天使の体が突然発火しそのまま黒焦げになり遺体は光の塵となって消えた
「アラム!(焼死した天使の名)ど…どうして…」
アリシアは目の前で焼死した部下の塵の一部を握りしめ涙を流し死を悼んだ…まるで自分の子供失ったかのような強い悲しみと喪失感に暮れていると…
「またお会いできて光栄ですな〜大女神アリシア様」
アリシアはその声の先に目を向けると輝く銀髪を靡かせながら自分に近づいてくる男…そう…達也だ…!達也はニコニコと朗らかな笑顔を見せながら近づきやがて自分の目の前にくると足を止めた
アリシアは戦慄し取り乱しながら達也に聞く
「あなたは…いったい誰なの⁈どうしてこんな酷いことを‼︎」
達也は冷静だった そしてその質問に素直に答えた冷酷な笑みを浮かべながら
「わからないのも無理もないですな…では教えましょう私は榊原達也…これでどうして貴女様の可愛い部下達に酷いことしたのか もうお分かりでしょう…」
そう答えるとアリシアはさらに顔が青くなり
「う…嘘よ!バカ言わないで!あんたが榊原達也な訳ないでしょ⁈髪の色も顔も全然違うじゃない!!」
恐怖で子供のように喚きちらす女神…滑稽だった
「嘘ではありませんよ…貴女が私にだけチート能力を与えなかったおかげで私は矢萩という男に殺され、私の魂は冥界を彷徨い…大邪神アカトシュ様との契約で私は新たな大邪神として全宇宙を君臨できるのですから」
達也はそう答えるとアリシアは
「大邪神と契約…⁈神々の一生の内1回しか使えないスキル…【魂の融合】あんたのためにあのアカトシュが⁈嘘よ!嘘よ!冗談も休み休み言いなさい!!」
どうしてもアリシアは事実だと認めたくないようで、はあ…達也は溜息を吐き
「では、論より証拠をお見せいたしましょう…」(達也)
「Σ⁈きゃあああ‼︎」(アリシア)
達也の眼が赤色に光りブラックホールのような物が現れアリシアは異空間へ送られたその異空間は冥界の中でも最も恐ろしい場所であった
〈冥界 地獄層〉
「いたたた…あれ…?ここはどこ…?きゃあああ‼︎」
シャアアア‼︎
その場所にはムカデとサソリが融合したようなグロテスクな理性を持たない凶暴な巨大生物が無数に生息している地獄層だった…この生物達は元は人間で生前から極悪すぎる魂だったため歴代の大邪神達によって歪な生き物へと変えられた上に彼らの加護をそのグロ生物に与えることによって元々の能力を桁外れに底上げするのを引きかえに、その悪しき魂の理性を失わせ共食いをさせる程わざと貪欲と凶暴性を増させる事により地獄層に送られた生前の彼らが犯した罪を断罪させ一切の安らぎを与えず永久にその邪悪な魂を苦しませるための空間であり、大女神はその地獄層に送られたのであった
「こ…こないで!誰か助けて‼︎きゃあああ‼︎」
ガブ!グシャグチャ‼︎(アリシアが地獄層の生物に食べられる音)
アリシアは必死に助けを乞うが当然誰も来るはずもなく無残にも食べられてしまった
達也はその様子を水晶で監視しスキルを使い時間を巻き戻しアリシアを復活させた
〈時空操作〉
時間と空間を自身の思い通りに操れる
「はっ!私は死んだはず…やった!生きてる!…きゃあああ‼︎」
アリシアはまたしても地獄層の生物に食われ殺された…達也はそのスキルを使い、殺しては復活させという無限ループを繰り返し300回目で漸くアリシアを解放した…アリシアは心身共にボロボロで両目に隈が出来、美しい身体は痩せ細り廃人のような姿で出てきた
〈アリシアの神殿〉
「…も…もう…私を殺して…」(アリシア)
「これぐらいやれば充分だろう…」(達也)
達也は遂に大女神アリシアに対しての復讐が完了したのであった