帰りを待つ者
「どうやらアロルドも無事に帰って来れそうだね」
僕が受け取った手紙に目を通し、そう言うとウチの私兵を率いて南部に向かっていた隊長は俯きながら答える。
「は、セイリオス様……」
それだけしか言う言葉が無い様子だ。わざわざ無事を強調して言ったのが聞こえていない筈がない。
弁解はしないつもりかな? まぁ、どうでもいいが。
「この始末はどう着けるのかな?」
隊長は何も言わない。
弁解せず、甘んじて罰を受けるのが格好いいとでも思っているんだろうか?
それだと失敗の原因を洗い出すのに面倒が生じるからやめて欲しいんだが、それを理解できるような頭は無いのだろうかね。
まぁ最初から期待はしてないので失望も何も無いのが救いと言えば救いかな。
「キミが独断でアロルドとノール皇子殿下の襲撃を計画したというのは聞いた。僕としては、なんでそんな意味のないことをキミがしたのかをキミの口から聞きたいんだよ。まぁ、理由に関して察しはつくがね」
「……私はセイリオス様の為に――」
「僕の為とはなんだい? まぁ、言わなくてもキミの言いたいことは分かる。アロルドが台頭すれば僕の立場が脅かされるとでもキミは思っていたんだろう? そして今の内に始末して、僕の将来への不安を無くそうとでも思い詰めたのかな?」
隊長は静かに頷く。
それだけだったら思慮深く主君思いの部下に見えるから不思議だ。実際はただの見当違いの低能だがね。
そもそもコイツはこの期に及んで何一つ理解していないのが困る。それなりに仕事を任せてやり、僕の考えを伝えたと思うのだが、何も聞いてなかったのか?
「キミや他の者はそうは思っていないようだが、僕とアロルドの関係は極めて良好だ。兄弟であるというのも理由の一つだが、なにより僕はアイツを尊敬しているんだ」
なにせ強いからね。強いというのはそれだけで尊敬に値することだ。
そういうことは以前にも彼らには言ったと思うんだがね。
「その良好な関係の弟に刺客を放ったというのは許せることではないと思うんだが、キミはどう思う?」
「どのような罰でも甘んじて受け入れます」
本当に何も分かっていないな、コイツは。
僕が聞きたいのはキミが君自身をどうするべきだと思っているかなんだがな。
本当に悪いと思っているならば、僕がどうするか決める前に自分で始末をつけるべきだと思うがね。それが出来ない時点で本当に反省する気が無いんじゃないか?
まぁ、僕自身もそれほど厳しい罰を与えようとは思っていないから許してやることも考えてやろう。
「そんなに思いつめる必要は無いさ。キミには色々と面倒な仕事を押し付けてもいる。それと功罪相殺で許してやろうじゃないか」
「は、有り難き幸せ」
帝国軍の生き残りをアークス伯爵領に匿う手筈を整えてくれたわけだしね。多少は大目に見よう。
理由も聞かずに敵国の軍隊を保護するなんて仕事を何の疑問も挟まずやってくれるなんて人間は貴重だからな。もっとも、理由を説明して欲しいなどと言われても教えてはやらなかったがな。
主君思いと言えば聞こえは良いが、所詮は自分の思考を放棄した犬だが、そういう人間はそう簡単には得られないので大事にしよう。
「疲れを労う意味もある。少しお茶でも飲んでいくと良い。聞きたい話もあるしな」
僕はそう言い、恐縮した様子の隊長をソファに座らせると自分は茶を淹れる準備をする。
断ることで僕の不興を買う可能性と、応じて厚かましい奴と思われる可能性を天秤にかけた結果、素直に応じて座ることを選んだのは良い判断だと思うね。
従順なのは良いことだ。ただまぁ、従うだけの人間は人間ではなく犬だと僕は思うがね。
さて話を聞きたいと言って引き留めたわけだが、僕としては別に聞きたい話などは無いんだがね。大抵の事はアロルドから手紙を貰っているので知っているのだから。
そう言えば、アロルドも良い代筆係を手に入れたものだ。中々に達筆で好ましい。
家族へ送る手紙くらいは自分で書いてほしいものだが、それだと何が起きたか分かりづらくて困るので代筆でも仕方ないと言えば仕方ないか。
アロルドは会話する分は誤魔化しが利くが、手紙だとそうもいかないのが難点だが、まぁそんなものは大した問題でもないな。
「僕が手ずから淹れた茶だ。大事に飲んでくれ」
考え事をしながら淹れた茶は大して良い仕上がりではないが、犬に飲ませるにはこれで充分だろう。
僕がそんなことを思っているなどは当然分かるはずもない犬は恭しく僕が差し出した茶を受け取り、かしこまった様子で茶の注がれたカップを口に近づける。
「味はどうかな?」
尋ねながら僕は自然な動きで犬の前から動き、犬の座るソファの背後に回る。
いちいち僕の動きを目で追うような不躾な真似をしないのは躾が行き届いているとは思うが、やはり生物として考えると劣っているな。
少し信用すれば警戒心が無くなってしまうのが今の世を生きる人間の駄目なところだ。常に相手が自分を殺そうと考えていると思うくらいでないといけないと僕は思うね。こんな生温い思考しか持たない人間が増えては人間はひたすらに生物として劣化していくだろう。
「素晴らしいと思います」
不味いなら不味いと言っても良いと思うんだがね。まぁいいか。
最後に味わう物ならば何でも美味く感じるのかもしれないだろうしね。
「それは良かった。良く味わって大切に飲んでくれ」
僕の言葉に頷き、犬は僕が背後にいるのも気にせず再びカップを口に近づけようとする。
その瞬間、僕は動き出す。
僕は後ろから腕を伸ばしソファに座る犬の首に巻きつけ締め上げる。
少し力を入れれば人間の首など軽くへし折れるが、殺すことが第一の目的ではないので力を多少弱めている。まぁ、それでも息は出来ないだろうが。
「どうした? 僕は飲んでくれと言ったんだがな」
犬はまだカップの中身をぶちまけていない。その点は評価できるし、僕が首を締め上げても抵抗しないでいるのも良い事だ。ここで抵抗すれば忠誠に疑いありということで殺してやったんだがな。
「遠慮するなよ。茶を淹れてやった主君の好意を無下にするつもりか?」
俺の酒が飲めないのかなんて酒の席で言うのと一緒だよ。
飲めないというのは相手の好意を無にしているから無礼にもあたる。身分差が無い社会もしくは人間一人一人の権利が尊重される世界なら拒否しても許されるかもしれないが、残念ながら僕らの生きる世界は身分差がある。
王様が平民に酒を注いでやったとして、平民がその酒を飲まずに捨てたら無礼討ちにされても仕方がないだろう。僕の淹れた茶も似たような物だ。飲めないというのは相手を信用してないということにも繋がるからね。
真に忠誠を示すならちゃんと飲まないとな。
忠誠を誓っている主がキミの為に手ずから淹れた茶だぜ。
どんな理由があろうと飲まなきゃ忠誠は嘘っぱちになるよなぁ。
僕は締め上げる腕の力を強める。頭に血が行っていないだろうが、そんなことは僕の知ったことじゃあない。
「ほら、頑張れ。忠誠心を見せてくれ」
僕がそう言った直後だった。
犬が口元近くまで運んでいたカップを手から落とし、その中身が僕の腕かかった。
首を締め上げている以上、僕の腕は犬の口の下に位置していたわけだから手にかかるのは当然だ。
「なぁ、どうしてこぼしたんだ? 僕は言ったよな? 大事に飲めって」
僕は締め上げた腕を離し、犬を解放する。
その直後に犬は跪き、額を床にこすり付け僕に許しを乞う姿勢を見せた。
あぁ、やっぱりそうするか、そうかそうか、そうしたくなる気持ちは分からないでもないよ。
でも違うんだよなぁ。僕はそういうのを望んでいるんじゃないんだよ。
「そんなに僕が怖いか? いや、何も言わなくていい。キミの今の姿を見れば分かる」
犬は跪き肩を震わせている。あまりにも弱弱しく情けない姿だ。そんな自分の姿を恥ずかしいとは思わないのだろうか。
「僕は、結果的にキミが僕の出した飲み物を僕の腕にぶちまけてしまったことそのものに怒っているのではないということは分かるかい?」
別に忠誠を示せなかったことが悪いというわけでも無いんだがね。
さて、どのような答えをくれるんだろうか?
「セ、セイリオス様の弟君にあらせられるアロルド様に対して害を為そうとしたことをお怒りだと……」
僕はため息を吐く。やはり何も分かっていない。
僕は前々から言っていたと思うが、コイツはやはり何も分かっていない。
僕の理想とする在り方が分かっていないんだ。
「そうじゃあない、そうじゃあないんだよ。僕が怒りたいのはキミの反抗心の無さだ」
これが僕の怒っている理由だ。
「なんで僕が怒らなきゃいけない? 怒るべきなのはキミだろう? 理不尽に叱責されて面白くないと思わないのか? よかれと思ってやったことに難癖をつけられ罰を与えられるなんていうのは反抗しても良いとは思わないか? なんで僕の言うことに唯々諾々と従うんだ? 僕と話していて自分じゃなく僕に対しての怒りが湧かなかったか? 首を絞められ茶をこぼしたとかで文句をつけられ忠誠を疑われてどうして黙っていられるんだ? 僕が言いたいことは一つだ」
「抵抗しろよ」
「難癖をつけられれば言い返し、理不尽には暴力で対抗する。気に食わない奴を殴り、腹が立った奴を蹴る。怒れば相手を傷つけ、憎い相手は殺す。僕は常日頃からそうあるべきだと言っていたと思うがね」
犬は何も言わない。いや、何も言わないから犬なんだろう。
「僕がキミに帯剣させているのは衝動に任せて、僕を殺しにかかることを期待してのことだ。だが、ここまで気骨が無いとは思わなかったがね。ここでキミが僕に対して刃を向けていたのならば、その性根に免じて全てを許してやろうとを思ったのだが」
「主に刃を向けるなど私には……」
「誰もそんなことは望んじゃいないんだよ。僕が望んでいるのはもっと荒々しい暴力と衝動なんだ。そのためにキミには色々とやらせていたのだが、全く僕の考えを理解してくれていなかったようだね」
そのことは散々説明していたと思うが、理解はしてくれなかったようだ。
わざわざ帝国軍の残党なんていう物を引き込む工作も、この犬には僕が帝国と内通して王国を転覆させ権力の座を手にするためとでも思っていたのだろう。
僕は権力なんかは欲しくも何とも無い。
僕が欲しいのは力を思いのままに振るうことができ、力だけで何でもできる混沌とした世界だ。
そんな世界になったら、きっと僕はそれだけで満足できる。人間と人間の衝動と暴力がぶつかり合う世界はきっと輝いているはずだ。
僕は安穏とした世界で力を振るうことも無いまま生き、そして死にたくはない。
せっかく手に入れた力なのだから存分に振るいたいし、それを自由に震える世界にしたい。だから、僕は世界を壊すんだ。
「僕の考えを理解してくれない奴とこれ以上一緒にやっていくのは不可能だと思うんだが、どう思う?」
僕はどう思うか質問しただけだ。やっていけると思うなら、そう言えば良いだけなんだが――
「お許しください、セイリオス様! これからは御心に沿うように努力いたしますので!」
跪いた姿勢のまま犬は訴えかけてくる。
だから違うんだよ。そうじゃないんだ。
そもそも、僕の質問に答えていないぞ。
「なぁ、僕はどう思うか聞いただけだぞ? キミのこれからについては話していないんだ。それとも何か、僕がキミに問答無用で酷いことをするとでも思っているのか? だったら、期待に応えてやった方が良いのか?」
犬の顔が青ざめてくる。
僕はそんなに難しいことを言っているとは思わないんだけどな。冷静に対処してくれれば、そんなに焦ることでも無い筈だ。
「そんなに怖がるなよ。さっきも言っただろう。僕は怒っていないと、アロルドにちょっかいを掛けたことに関しては多少腹が立つ部分もあるが、それに関しては許したと言ったろう? 今の時間は単純にキミが僕に仕えるに足る人物か見極めるための物なんだ。キミは僕に忠誠を誓っている風な感じだが、僕だって忠誠を誓ってくる相手を選ぶ権利はある。そして現状、キミは不合格だな」
何も言わずに従ってくれる輩は貴重だが、いないわけじゃない。使い潰したとしてもそれほど気にはならないだろう。お気に入りのシャツにスープの染みが付いた時の残念な気持ちと同じ程度だ。その時はしくじったなと思うが、買い替えれば良いと思うし、数日でそんなことは忘れてしまうだろう。
「さて、このままだと不合格だが、キミはここからどうする? 不合格になれば僕はキミを殺すし、キミの家族や大切な人も始末するかもしれない。キミが余計なことを洩らしていないかどうかを判断する方法は僕には無いからね」
「お許しください、セイリオス様! どうか、どうかご容赦を!」
ここに来た時は余裕があったのにたった数十分でこの取り乱しようだ。
まぁ仕方ないか。一瞬で破滅の危機に直面することになったわけだしな。
人生とは本当に何があるか分からないものだね。
「この期に及んで言葉で何とか出来ると思っているのかい? 良く考えてくれよ、キミの腰には剣がある。僕は丸腰で部屋には僕一人だけだ。屋敷は人払いがしてあり、誰かがやってくることは無い。キミがこの屋敷を訪れたということを知っている者もいない。この部屋には少し探せば金庫もあるし、そのカギは机の中に入っている。金庫の中には充分過ぎる金があるはずだ、地方に行けば大農場を買えるくらいだろうか。その金庫の中身に関しては僕以外の誰も関知していないから、中身を奪ったとしても物取りと思われることは無い」
さぁ、選択の時だ。
ここで、まだ言葉で何とかするつもりなら、それこそ生きている価値が無い人間だ。
「さて、キミはどうする?」
僕は問いかける。すると跪いていた犬は立ち上がり、血走った目で僕を睨みつけながら剣を抜き放った。
「そうだ、それがいい。力で以て問題を解決するのか一番だ。この世の人間が全て今のキミのように暴力で物事を解決するようになれば、世界はもっとシンプルだった。そしてシンプルな世界こそが最も美しく素晴らしいと思わないかい?」
僕が尋ねかけても犬は返事をしない。まぁいいだろう。
「こうして殺意を向けてくる相手を殺すのは気分が高揚する。やはり、僕は頭を動かすよりも体を動かす方が性に合っているな」
最近、暴力を振るっていなかったせいで欲求不満だったのだが、それも解消されそうで何よりだ。
無意識にこうなる方に話を誘導していた気もするが、まぁそれはもう関係ないだろう。どんな経緯があれ、僕の目の前には剣を抜き、殺意をぶつけてくる敵がいる。それで十分だ。
「さぁ、頑張ってくれよ。キミの人生の正念場だ」
その言葉を皮切りに犬は剣を構え僕に突っ込む。
やはり良いものだ。無抵抗じゃなく、ちゃんと抵抗してくる相手は。
一方的な殺しじゃなく、殺し合いじゃなければならない。せっかく力を持っているのに比べる対象が無いのじゃつまらないことこの上ないからな。
だから、本当に楽しませてほしいものだ――
「他愛ないな」
決着が着いたのは一瞬だった。
殴れば砕け、蹴れば壊れる。僕が強いのか、こいつが弱いのか、戦いにすらならなかった。
僕の目の前には首の無い死体が転がっている。その死体は生きている時はアークス伯爵家の私兵を率いる隊長だったが、今は何でもない只の物だ。
少し力を込めて殴ったら首から上が吹き飛んでいった。飛んで行った首は部屋の隅に転がっているが、それもどうでも良い。
先程まであった高揚感も既に冷めきっていた。良かったのは始まる前だけだ、始まったら一瞬で終わりだから興醒めとしか言いようがない。
「入れ」
僕は手を叩き、ドアの外に待機していたアークス伯爵家の家令を部屋に入れる。
人払いをしていたというのは相手をその気にさせる嘘だ。人がいなければ雑事が滞るので、そうそう人払いをすることなどは無い。
もっとも、僕が殺されたら、その時は殺した相手を見逃せと言い含めているので、僕を殺せたのなら犬は無事に逃げおおせただろうが。
「片付けておいてくれ」
家令は死体を見ても表情を変えずに頷き、淡々と仕事を始める。
伯爵家の家令ともなると後ろ暗い仕事を任されることが多いので、多少のことでは驚かないので助かる。
「そういえば、うちで働いている庭師の男が結婚すると言っていたな。祝儀を出しておいてくれ」
「かしこまりました」
家令が黙々と死体を片づける横で僕は細々としたことを頼んでおく。
僕が人を殺したのと僕の日常生活は切り離された事柄であり、死体如きにかかずらわっていて日常生活を円滑に進めることに滞りがあっては問題だ。
もっとも、全てが上手く行けば僕の日常の面倒臭さは解決するのだから、つまらないことに意識を割くのも今だけの辛抱だ。
だから、今は我慢して表向きにはそれなりに真面目な伯爵家の跡取りを演じるとしよう。
「お耳にされたかと思いますが、ウーゼル殿下が御帰還なされたようです。どのようになさいますか?」
家令が僕に尋ねてくる。そういえば、そんな話もあったな。
しかし、その割には凱旋式も何も無い。もっとも、そんなことをやっている国庫の余裕はない可能性が高いか。戦費をどうするかで城の中では揉めているんだろう。
「勝利を祝う言葉でも贈っておけばいい。それ以外は……そうだな、アロルドが帰ってきたら大規模な凱旋式をしよう。その準備をしておいてくれ」
「かしこまりました」
戦の主役がアロルドであったと皆が信じるくらい派手にやろうじゃないか。
王家などは何の役にも立たなかったということを民衆に対して暗に知らしめる為の工作もしよう。
民衆の心は王家から離れるだろう。そして他の貴族も王家を侮るようになり王家から離れていく筈だ。
そうして各地の貴族が王家から離れ、独自の路線を貫くようになれば、それぞれの貴族同士の摩擦は強まり、争いが起こるだろう。
だから、ここでハッキリと王家の力が弱いことを知らしめておかなければならない。
たかだか一貴族にも出来たことができない王家と思わせる必要がある。
もっとも、それ以外に目的はあるがね。
「せっかく弟が戦に勝利したんだ。盛大に祝ってやらないとな」
僕にだって肉親の情はある。
アロルドの勝利を盛大に祝ってやりたいという気持ちはあるから、アロルドの勝利を祝う凱旋式は豪華なものにしたいとも思うのさ。
準備は色々とあるだろうが、間に合うだろう。
兄として勝利を祝い、そして今後のことで話さなければならないこともある。
今からアロルドが帰ってくるのが楽しみで仕方がないな。
アロルドには早く帰ってきてもらいたいものだ。




