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仕事

作者: さけみりん

 街を歩いていたら、偶然懐かしい顔に出会った。小学校の同級生だった中田だ。かれこれ十五年ぶりくらいだろうか。久しぶりの再会に話が弾んだ俺達は、そのまま飲み屋に行って酒を酌み交わしながら、近状報告などをして旧友を温めた。

「中田は今、何をやっているんだ?」

「警察官だよ。といっても、しがない交番勤務だけど。でも最近物騒な事件が多くてな。この間も時計屋が強盗に襲われて、高級腕時計が盗まれたんだ」

「へえ、そりゃあ大変だな」

「そう言うお前は今、何をやっているんだ?」

「特になにも。まあ、ニートってやつだよ」

「おいおい、ダメじゃないか。しっかり稼いで、ちゃんと社会貢献しなきゃ」

「一応稼いでいるし、社会貢献なら、しているよ」

 そう言って俺はタバコに火をつけ、ゆっくりと煙を吐いた。

「俺が稼いでいるおかげで、中田は忙しく仕事ができるんだからな」

 ライターを持った俺の腕には、この間時計店から盗んだ高級腕時計が輝いていた。



【了】


お読みいただきありがとうございました。

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