3節 生命体創造
頭の中で、イメージが創造できる生命体を羅列していた。その余りの多さに少し驚く。
創造していた魔物などだけでなく、普通の動物、昆虫なども含まれていたのだ。ただレベルがやはり低いためか、想像していたドラゴンなどはいなかった。創造する生命体について考えながら条件を絞っていく。
うーん、極力ポイントを節約することを考えたら、知性や言語能力をもともとあるやつ選んだほうがいいみたいだな。となると、まずはその二つの条件で絞るだろ。
あとは、作るやつのコンセプトだよな。さすがに部下しかいない状況はいやだし、単なるアドバイザーじゃなくて、やっぱりパートナーにできるようなやつを創造するか。ってことは人型と女性でさらに絞れる。
半獣半人みたいなやつが残ってるな。メインを人型にしてっと。家事や相談はやってもらえるようにカスタムすればいいけど、戦闘はどうするかな。前線ではさすがに戦わせたくないけど、戦力としてはほしいよな。なら魔法とスキルをカスタムすればいいか。となると魔法能力の高めのやつから選ぶべきかな。
次々と考えをあげながら、創造する生命体を絞っていく。最終的に選ばれた選択肢は無難なエルフだった。もともと魔力の多い種族であり、自然魔法のほかに精霊魔法などの適正も高い。ポイント消費は500P。
生命体は、それ以外の創造やダンジョン形成などよりも多くのポイントが必要みたいだ。今度はその能力や外見、性格をカスタマイズしていく。
結局無難なところに落ち着いたな。こんな考える必要もなかった気がしてきた。カスタムは、まず外見と性格を好みにかえてっと。能力はまずは知性と速力と魔力の底上げだろ。ここまでで合計700Pか。
スキルと魔法は結構ポイント必要みたいだな。家事、隠密、言語能力のスキルと魔法全般の能力か。家事関連スキルは比較的ポイント消費は少ないから、家事マスタースキル50Pでいいな。隠密系は気配隠蔽スキルと消音スキルで十分かな。視覚はダンジョン形成で障害物とか考えればいいんだし。あわせて200Pなら許容範囲だろ。
魔法系は、うーん、悩むな。自然魔法をすべて最大値にあげると1000P必要か。精霊魔法も覚えさせたら、1500Pか。1個だけならポイントが減らないし、普通はひとつなんだろう。強ければ助けになるだろうしいいかな。
ある意味俺を除いたら、ラスボスにもなるだろうし計2250Pでもありか。よし創造するか。
「創造!」
能力を発動すると、目の前に光が集まる。普通なら目も開けていられないような光だ。それを見ていられるのはおそらく自分の能力だからだろう。
光が徐々に人の形をなし、一瞬強く輝いたかと思うと収まった。そこには自身の好みを体現したエルフが跪き、こちらを見ていた。きれいな金色の髪が腰まであり、目は透き通った青色。肌は色白で、エルフの特徴である耳は長くとがっている。身長は自分より少し低い。カスタマイズ時に決めておいた白のワンピースを着ている。
コアによって生み出された自分が服を着ていたから自動でつくかと思いきや、カスタマイズのイメージでは服を決めないと裸のイメージだったのだ。
やばい。理想通りの相手ってのもすごいな。よく考えたら、生まれたばかりの俺が好みというのもおかしいか。好みも前世の影響かな。とりあえず何かいわないと。
「おれが君を創造したマスターだが、そのことはわかっているか?」
「はい、マスター。私を創造していただきありがとうございます。この命、つくってくださったマスターのために使う所存です。」
声も高めのきれいな声だ。ほんとにカスタムはすごいな。こんなとこまで理想どおりだ。
だけどもう少し近い感じの関係にしないとな。これから創造するやつはともかく、彼女はパートナーにするために呼んだんだし。
「ありがとう。だが君は俺のパートナーにするために生み出した。ダンジョン全体の相談から家事などまでやってもらうつもりだが、このダンジョンでは唯一おれと最も対等に近い存在になってもらいたい。まあまだほかのやつは創造していないんだが。」
「本当によろしいのですか。私などがマスターのパートナーなど。」
気のせいでなければ、声が震えている気がする。顔もなんか幸せそのものだ。まじめそうな顔作ってるけど隠せてない。これも隷属化の影響だとすればとんでもないな。まあありがたいが。
「ああ、先ほども言ったが、そのために君を作ったんだ。いろいろやることも山積みだけど、よろしく頼むよ。」
「はい!マスター。これからよろしくお願いします。」
やっぱり震えてるな。彼女の中で俺いったいどんな存在になってるんだろか。