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ダンジョン作成は安全優先  作者: 西脇
1章 ダンジョンマスター始動
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2節 状況確認(1)

長さがページごとにぶれそうです。。。

 突然響いてきた声に驚きを隠せなかった。全く期待も予想もしていなかったのだ。

 驚きのあまりびくりとしたが、逆に大きな声も出ず、呆然としてしまった。聞こえてきたのは生身の声というよりは、どちらかと言えば機械音のような感じの高い音だった。

 落ち着くよう自分自身に言い聞かせながら問いかける。


 「誰なんだ?どこにいるんだ。」

 

 「サー。返事を行っているのはダンジョンコアの自己制御プログラムです。マスターによる実体化が行われていないためダンジョンと融合した状態になっています。音声は部屋全域から発生させました。」


 また高い音声が返事をよこす。今度はできる限り落ち着いて、返事の内容を把握するよう努めた。だが内容についていくことができなかった。

 ダンジョンってどういうこと。ダンジョンコアはそのメインシステムみたいなものだろうけど。最初の呼びかけからすると、マスターは俺なのか?とりあえず現状や俺自身のことを確認しないと。


 「質問すればいくらでも答えてもらえるか?」


 「サー。ダンジョンコアによる把握可能範囲であれば返答可能です。回数制限等は存在しません。」

 

 ダンジョンコアの返答を受けて、疑問を投げかける。現状を知る手段ができたことにひとまず安堵していた。「ダンジョンとダンジョンマスターについて、現状も踏まえて説明を頼む。あと俺自身のことを教えて欲しい。名前などから全てだ。」


 「サー。世界を形成する魔力のうち過剰分を、世界の崩壊に繋がらぬよう、個体化したものがダンジョンコアであり、それによってダンジョンが形成されます。膨大な魔力の塊であるコアを介することでダンジョン空間において世界の理そのものへの干渉が可能です。

 ダンジョンマスターはコアとダンジョンの統治のため、ダンジョン形成時に死を迎えながらも転生が済んでいない魂が呼び寄せられ生まれます。唯一コアの力を利用可能な存在で、ダンジョンの拡張なども可能です。

 魔力の塊であるコアやダンジョン内で取れる多量の魔力を含む品は外界では価値が高いため、その統治を司るマスター共々狙われます。現在はダンジョン初期の状態で外界と遮断されており安全ですが、空気中の魔力濃度調整のため約10日後に外界と自動的につながるため、対策が必要かと思われます。」





いきなりついていくのが厳しそうだ。




「続いてマスターについてです。マスターは物理的には約7時間前に形成されました。マスターの名前は未決定です。そのほかのステータスはこのようになります。」


 自分が生まれた時期に驚く暇もなく、頭の中に突然イメージが浮かんできた。




名前



種族

ダンジョンマスター


ダンジョンコアレベル 

初期型Lv1


能力

ダンジョン支配(残ポイント:10000P)





 名前は思い出せないんじゃなく、ないのか。今ある自我は生まれ変わる前のものってことかな。説明からすると、ポイントみたいのを使う可能性はあるが、この中では思った通りになるのか。狙われるっていうなら状況確認は早くしないとな。ただいろいろやる前に。



 「コア。明かりをつけることは可能か?」


 「サー。可能です。この部屋のサイズに合わせた居住空間用照明は10Pで生成できます。実行しますか?」


 10Pくらいなら大丈夫だよな。よし。


 「実行してくれ。」


 「サー。10Pを使用して照明を生成しました。」


 その瞬間、目に光が飛び込んでくる。突然の明るさに対応できず目が開けられない。徐々に慣れるのを待って、目を開ける。壁や床は一面真っ白だ。上を見上げるとかなり高い位置に天井がある。その中心には大きな照明もついていた。

 その明かりに、暗闇によってもたらされていた緊張感がようやく薄れた。体の力を抜いて壁際に座る。少し安心できたが、やることが山積みなのは、確認しなくてもわかった。

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