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『納付書を握りしめたまま異世界に転生した男は、期限までに帰ってこれるのか』  作者: 南蛇井


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シーン5:自動車税納付書

卓也は、何も言わなかった。


反論は、思いつかなかったわけではない。

だが、口にする理由が見つからなかった。


ザイゼルの語った過去は、事実だ。

結果も、否定しようがない。


戦争は止まった。

死者は減った。

それは、成功だ。


卓也は視線を落とし、床の石目を見る。

整えられすぎて、ひび一つない。


間違ってはいない。

やり方も、考え方も。


ただ――


それしか、知らない。


卓也は、そう思った。


卓也は、ゆっくりと手を懐に入れた。


取り出したのは、一枚の紙だった。

折れ目が付き、角は丸くなり、ところどころに擦れた跡がある。


現世の――自動車税の納付書。


卓也は、それを言葉も添えず、前に進める。

魔王の執務机の上に、そっと置いた。


かすかな音がした。

紙が、石の机に触れる音。


この部屋では、やけに大きく響いた。


ザイゼルの視線が、その紙に落ちる。

文字を追うでもなく、触れるでもなく。


ただ、見る。


すぐには、手を伸ばさなかった。


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