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『納付書を握りしめたまま異世界に転生した男は、期限までに帰ってこれるのか』  作者: 南蛇井


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シーン4:意識の断絶

衝撃のあと、重さが消えた。


 体がどこにも触れていない感覚。

 落ちているのか、浮いているのかも分からない。


 音が遠のく。

 視界が、ゆっくりと白く塗りつぶされていった。


 その中で、ひとつだけ残っている感覚があった。


 右手。


 指先に、紙の感触がある。

 少しざらついた、薄い紙。


 力を入れているつもりはないのに、

 離れなかった。


 ぼんやりとした意識の奥で、

 考えが浮かぶ。


 ――これ、まだ払ってないんだよな。


 それが、

 最後だった。


 白がすべてを覆い、

 意識は途切れた。

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