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シーン3:事故
コンビニの駐車場に足を踏み入れた瞬間だった。
耳に、聞き慣れない音が届く。
エンジン音にしては近すぎて、重い。
次の瞬間、
「ぐぉぉぉお!!」
爆音とともに、視界の端が歪んだ。
反射的に顔を上げる。
ライト。
フロントガラス。
迫ってくる車。
距離が近すぎる。
しかも、角度がおかしい。
駐車場に入ってくる車のそれではない。
まっすぐ――店の方を向いている。
その一瞬で、卓也は理解した。
――ああ、これ、
――ドライブスルーで入る気だ。
驚きはあった。
だが、体が動くほどではなかった。
恐怖より先に浮かんだのは、
ひどくどうでもいい心配だった。
――……店、壊れないかな。
次の瞬間、
世界が白く弾けた。




