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シーン2:説明される税目
宿屋の廊下の壁には、掲示板があった。
紙は新しく、文字も丁寧だ。
だが、そこに書かれている内容を、
立ち止まって読む者はいない。
待機税
――何もしていない時間。
睡眠税
――意識を手放している時間。
延滞税
――支払いが遅れた時間。
簡潔な説明が、
箇条書きで並んでいる。
下には、太字の注意書き。
――時間は資源です。
それ以上の補足はない。
なぜ課されるのか。
いつまで払うのか。
答えは書かれていなかった。
だが、誰も疑問を口にしない。
時間は資源で、
資源には税がかかる。
それで十分だった。




