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シーン2:報告と支給
冒険者が、依頼完了を告げる。
受付は手元の書類に目を落とし、
淡々と読み上げた。
「討伐依頼、完了。
報酬、金貨十枚です」
冒険者はうなずく。
次の瞬間、
木のカウンターの上に置かれた袋を受け取る。
軽い音。
冒険者は中身を確認した。
金貨は、六枚。
一枚、二枚と数え、
もう一度、最初から数える。
それから、静かにうなずいた。
抗議はない。
質問もない。
受付が、当然のように補足する。
「整理後の金額です」
それで終わりだった。
冒険者は袋をしまい、
次の者と入れ替わる。
金貨四枚分の差額は、
どこにも置き去りにされなかった。
最初から、
存在しなかったかのように。




