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『納付書を握りしめたまま異世界に転生した男は、期限までに帰ってこれるのか』  作者: 南蛇井


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◆ 第2話 第一税目官編 『もらう前に、整えます』シーン1:ギルドの朝

冒険者ギルド中央支部は、朝から人が多かった。


 依頼掲示板の前には、すでに数列ができている。

 だが、騒がしさはない。

 声は低く、動きは整っている。


 報告窓口と受付窓口。

 そして、そのすぐ横に、もうひとつの列があった。


 税目官窓口。


 特別な扱いではない。

 掲示板を見るのと同じ流れで、自然にそこへ向かう。


 壁には一枚の掲示が貼られている。


 ――報酬は事前に整理されます。


 文字は大きく、はっきりしていた。


 だが、立ち止まって読む者はいない。

 視線は素通りし、足も止まらない。


 ここでは、それが前提だった。


 報酬は、受け取る前に整えられる。


 誰も疑わず、

 誰も確かめようとしない。


 それが、冒険者ギルドの朝だった。

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