第57話 話し合い
俺は考えた末に言うという結論に至った。なぜか、と言えば難しいが現状維持は嫌だったからだ。
するならハッピーエンドで終わるのが一番いい。
だから秋根に仁を許してもらう、それが丸く収まる話だ。
「秋根」
俺はソファに寝転がる秋根に話しかける。
突かれている様子だ。
当たり前か、何しろ今日は一日頑張っていたし。
明日にしようかとも思ったが、言うならば一日でも早い方がいい。その方が秋根も呑み込みやすいだろうし。
「少し話がある」
「なに? 僕に用なのかな」
僕っ娘スタイルで行くのか。
「仁のことについて話がある」
その瞬間秋根の顔が少し曇ったように見えたのはおそらく見間違いではないだろう。
「仁の過去についてわかった」
「そう……」
「仁は昔、無意識でいじめをしていたらしい」
「やっぱり」
感づいていたのか。
「そんなことだろうと思った」
先程の僕っ子スタイルは何だったのあkと思うほどに、シリアス風の空気が充満していく。
秋根が話はこれだけとでも言いたそうに、こちらを見て来る。
そんな目で見て来るなよ。俺はどうしたらいいんだよ。
「でも今は罪悪感感じてるみたいだぞ」
「それで私が許すと思ってるのです?」
ああ、やっぱりこうなるか。
「私は許せないのです。一度でもいじめに関与したことある人を」
「俺は許せとは言わない。ただ、あいつはあいつなりに気にしているという事だ、あいつとは違ってな」
あいつ、つまり秋根を虐めた人たちの事だ。
「それにあれ以来いじめにつながりかねない事はしていないみたいなんだ、だからどうか認めてくれないか」
「いくら遊星くんの言葉でも……」
「お願いだ」
俺は強く言った。すると秋根は「っ」と声をこぼしてから「分ったのです」と言った。
「その代わり」
秋根は俺の膝に頭を置く。
「膝枕をしてほしいのです」
文脈が謎だ。
「なぜ今膝枕なんだ?」
「お詫びです。私だって無条件で仁君を認める訳じゃないのですから」
「そう言われてもな」
「それに、私は膝枕を刺せたことはあっても、したことはないのです。この機会だから許してほしいのです」
「仕方ないな」
俺だっていやだっていう訳ではない。
俺の膝枕で秋根が喜んでくれるのならばそんなにいいことはない。
秋根を膝にのせて二十分。秋根は寝てしまった。
疲れてたのだろう。
俺の膝の上でゆっくりと寝かせてやろう、俺はそう思った。
秋根の頭を撫でる。うん、良い撫で心地だ。
秋根の髪の毛はさらさらで、やっぱり俺にはふさわしくない。
勿論それは俺の価値が足りないという話だ。
いつもは秋根がご飯を作ってくれるが、今日は俺がご飯を作ろうかなと、ふと思った。
その後休み明け、俺と秋根と仁の三人でイスに座る。勿論この場で話し合いをするためだ。
仁は少しビビっているような様子だ。当たり前か、秋根が目の前にいてビビらないわけがない。
「仁、実は秋根に話した」
「そうか……」
なんだか場が暗いなと、俺は感じる。
「私は無意識でもいじめをしたことは許せないのですけど、遊星くんの友達だから、ギリギリ許してあげます」
そう、「秋根は悪戯に笑う。
「そうか、ありがとう」
「朱音ちゃんとはどういう感じなの?」
「結構いい感じだ」
「いじめの事は?」
まるで圧迫面接だ。
「言ったよ。それはだめだね、でも申してないならいいよと言われた」
「そう、ならいいのです」
そう秋根はにっこりと笑った。
「でも、それに関係する事をしたら、私は許さないから」
秋根はいじめを受けたことがある。だからこそ他人よりも厳しいのだろう。
それを仁も分かっているはずだ。
「分かっている」
仁もうなずいて見せた。
「なら大丈夫」
そう言って秋根は立ち上がった。
それに俺はほっと一息漏らす。
無事に? 関係がよくなってよかった。
そして翌日からは秋根が俺の机の方に来るようになった。
いつもは俺の方が秋根の教室に行くようにしてたからなんだかいつもと違って少し変な気分だ。
しかし、なんだか楽しいなと思える。
秋根は俺のクラスの中でも受け入れられ始めていると感じた。
それも当然だ。俺と秋根の名物かtぅプルだし、事実秋根の教室に遊びに行った人も多い。
秋根の顔は人目を引くのだ。
仁ともある程度仲良くなった秋根。
更に仁と秋根はどんどんと仲良くなっていく。
そんな空間がいとおしい。
そして三年になると、優子と朱音ちゃんが俺たちの学校に来た。
そして朱音ちゃんと仁も付き合い、優子はさらに学校でも俺にウザ絡みをするようになった。
学校生活がさらに良くなっていった。
俺は幸せだなと思う。秋根と一緒にいられて。
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