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オリハルコンの女~ここから先はわたしが引き受けます、出来る限りではありますが~  作者: 五十嵐 あお


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王都オランデール伯爵家37

せめて同じリプセット公爵家の派閥にリッジウェイ子爵家が入っていたならばと、オランデール伯爵は溜息を吐いた。もしもそうだったなら、色々あったが今後の為にも再度交流を持ちたいとリプセット公爵に伝え、リッジウェイ子爵家との関係を執り成してもらうことが出来ていただろう。リプセット公爵も派閥内での揉め事や不仲は好ましくないと考えるだろうから。

そしてそれは茶会を開催する貴族にも顕著に表れる。オランデール伯爵家とリッジウェイ子爵家が顔を合わせることがないように取り計らってしまうのだ。こちらは両家が今顔を茶会で合わすのは好ましくないだろうと考えて。

即ち、オランデール伯爵家へ茶会の招待状が送られれば、自動的にリッジウェイ子爵家は参加者から外れるということだ。


前リッジウェイ子爵夫妻にはサブリナに対する文句を散々言っただけに、オランデール伯爵家から茶会の招待状は疎か、手紙を送ることも出来ない。それどころか、前リッジウェイ子爵夫妻から持参金は迷惑料の代わりに返してくれなくていいと言われ、賠償金という名目に替えその通りにしてしまっているのだ、相手は外でも会わないよう気を付けているだろう。


しかし本当に話をしたいのは前リッジウェイ子爵夫妻ではなくサブリナ。直接話す機会を設けるには、考えようによっては多少マシなのかもしれない。何故なら、サブリナがファルコールへ向かったのはクリスタルが取った行動への謝罪。ところがサブリナがジャスティンと離縁した以上、オランデール伯爵家としては何もしていないのと同じ状態なのだ。


ファルコールにいるスカーレット・キャストール侯爵令嬢へオランデール伯爵家として何かをしなければならない。

既にタウンハウスへはお詫びの品は送ってある。しかしそれはスカーレットに無礼を働いた子女がいる家は皆行ったこと。それにファルコールへ向かった侯爵令嬢スカーレットは金品ではなく話し相手を求めた。唯一それが出来たオランデール伯爵家は、謝罪レースの一時は勝者だった。

ところがどういう訳か最近では、貴族学院内でクリスタルが最もスカーレットに対し無礼を働いたと実しやかに囁かれている。事実かもしれないが、厳密に言うなら最も無礼を働いた内の一人だ。それが、クリスタル一人が悪いかのように。

せめてクリスタルも悪かったぐらいになるよう、何か手を打たなければ。しかし品物を贈るにしろ、人を手配するにしろキャストール侯爵の許可を得ないことにはファルコールにいるスカーレットへは何も出来ない。それはそこにいるサブリナとも接触出来ないことを意味する。


子爵家のどうってことない娘のサブリナ。そんな程度の存在なのに、どうしてそこへの道がこうも上手く繋がらないのかと伯爵は苛ついた。そのどうってことない存在に重要な質問をいくつもしたいのは伯爵自身だというのに。


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