表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オリハルコンの女~ここから先はわたしが引き受けます、出来る限りではありますが~  作者: 五十嵐 あお


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

422/673

230

アルフレッドがシシリアに惹かれてしまった切っ掛けは何だろうか。

スカーレット寄りではなく客観的に考えれば考える程、薫には疑問が浮かんだ。


先ずは容姿、どう考えてもスカーレットの方が上だ。思いがけずこんな素晴らしい容姿を手に入れてしまった薫は、棚から牡丹餅どころか金塊が手に入ったような気分だった。次に教養。これは貴族学院での理事長達の思惑で捏造されてしまった部分もあるが、王子妃としての資質を考えればやはり軍配はスカーレットに上がる。受けてきた教育の内容がシシリアとは違うのだから。そして、何よりスカーレットの方がアルフレッドと過ごしてきた時間、共に作ってきた思い出も多かった。


それにも関わらず、アルフレッドはシシリアを選んだ。特筆すべき切っ掛けがなければ、一瞬の目移りで終わってしまいそうな気がする。創造主が元にした小説を文字で追えば、その中に答えはあるのだろうが今の薫にそれは出来ない。だから想像する。けれど想像という行為は残酷で、最初に思い浮かべてしまうのは自分の経験値、浮気されることが得意だった薫の考えだった。


それは、アルフレッドは仕事(責務)から離れてほっと一息つきたかった、ということ。強ち間違いではないように薫には思えた。最初は案外一息程度だったのかもしれない。その一息の吐き易さに、気付けばその空気(雰囲気)を求めるようになってしまったのだ。

浮気の常套句、ちょっとした出来心だったんだ、をアルフレッドの立場から想像すればこんなところだろう。ところが出来心では片付けられなくなってしまった。


スカーレットだって、アルフレッドが王宮では味わうことの出来ない経験をする程度だと最初は考えていた節がある。婚約者以外の女性と挨拶程度以上の交流をするという。謂わば、王子様の束の間の休日だ。ところが、それは休日から日常になろうとした。だから、スカーレットは本来の日常である責務をアルフレッドに思い出させようとしたのかもしれない。


前世の薫もヤツとは仕事の話が多かった。けれどそれには理由がある。ヤツが働かない親族ばかりが蔓延る会社から、早く健全な姿にしていきたいという目標をたびたび薫に話してくれたからだ。だから薫は思った、目標に早く近付けさせてあげられるよう努力しようと。そうすることが薫の価値であり、求めてもらえる理由に繋がっていくと信じたのだ。


負担になってはいけないと、甘えることもなく先を見据えて働く日々。でも、見事にヤツは他の女性達から甘えられてしまった。美しく見えるように努力を惜しまない女性達に…。


アルフレッドのことから、薫は努力の方向性ということにまたもや引きずられてしまっていた。

過去を考えるからこうなってしまう。だったら、今度は今のアルフレッドについて考えてみようと薫は思った。そしてそれは気付けば一通の手紙となっていたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ