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オリハルコンの女~ここから先はわたしが引き受けます、出来る限りではありますが~  作者: 五十嵐 あお


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国内某所とある修道院1

修道院へ送られる。その意味を日々シシリアは実感していた。

それは送られた先の修道院で、修道女の服装をしてお菓子片手に楽しくおしゃべりをしながら暮らすことではないと。


この修道院へやって来た初日、修道院長はここでの生活を説明してくれた。そして、ここが国内でも規律が厳しい方だということも。

今まで修道院へ入ること等考えたことがなかったシシリア。規律が厳しいと言われたところで、具体的なことなど想像出来るはずもなくその日は部屋へ向かったのだった。


部屋には最低限のものしかない、それが通された部屋に入ったシシリアの感想だった。

案内してくれた修道女の『これだけのものを用意してもらえたのです、大切に使いなさい』という言葉がシシリアの感想とはまるで正反対でおかしいやらどうしていいやらで返事に戸惑ってしまったくらいだ。


服の脱ぎ着、髪の纏め方は子爵家で練習してきた。だから困ることはないと思っていたが、夕食までに袖を通すよう渡された修道服は練習等必要がないものだった。前開きではなく頭から被るので、飾りボタンも何もない質素なもの。

シシリアが普段着として両親から渡された服のように柔らかい色味も柄も何もなかった。後ろに一つだけある首のところのボタンさえ留め外しが出来れば簡単に着用出来るものだった。


シシリアの脳裏にアルフレッドからプレゼントされたあの日のドレスが蘇る。こんな濃紺のごわごわした生地ではなく、上質な手触りの生地のドレス。

あのドレスは両親により返却されたとシシリアは聞いた。アルフレッドがシシリアの為に仕立ててくれたものだというのに。しかし、この部屋にあのドレスをしまう場所はない。着せてくれる使用人もいなければ、手入れをしてくれる使用人も。それに、邸に残してもらったとこでシシリアが戻る予定はない。それどころか、戻る邸もなくなってしまった。


どうしてシシリアはあのドレスを着続ける権利を失ってしまったのだろうか。

侯爵家が三家、伯爵家が二家招かれて王宮で行われたシシリアの養女先を選定する為の昼食会。シシリアが一番苦手とするマナーが試されるものだったが、努力はした。その後のピアノの演奏も。


蓋を開ければ、選定する側のシシリアが、選定先の五家から断られるとは。そのことを聞いた時、シシリアは腹立たしさを感じると共にスカーレットの陰を感じた。アルフレッドを取られたことへの嫌がらせだと。

だからすぐさまダニエルに手紙を出したのだ。しかし、返ってきた手紙にはがっかりした。貴族学院でのダニエルのようにスカーレットを糾弾するものではなく、ただの励ましという内容に。

その後送った二通目の返信も自分を磨いてアルフレッドの便りを待つようにというもの。そして待った結果が、この修道院へ入れるという措置。しかも還俗がないという。

決してアルフレッドの文字でない文面。王宮からの遣いに手渡された書簡を読んだ両親はその場で泣き崩れた。


王宮からの遣いの者が去った後、シシリアは両親に訴えた、全てはスカーレットの陰謀だと。しかし、王都から去ったスカーレットにそんなことは出来ないし、そもそもそんな力はないと諭されたのだ。


シシリアは質素な部屋の中で、涙を浮かべながらあの日のことを思い返した。

ご訪問ありがとうございます。


出て来る人達のいる場所も考えていることもバラバラなので書いているわたしが忘れない為のメモを。それにご訪問いただいている方の中には『そういえば…』と思っている方もいるような気がするので。


アルフレッドが整えている他国の姫の婿はまだ明かしていません。

デズモンド・マーカムへの薫の印象はかなり抽象的な状態です。

薫の交渉内容はぼんやり状態です。

ダニエルはその後どうしているのか。

スコットの家のことはあまり触れていません。


そして、これからシシリアのおうちのことを書く予定です、気が変わらなければ。


では、またお時間がある時にお待ちしています。

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