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第一話 はじまり
「あぁ…この靴ももうボロボロだなぁ…」
椅子に座って、そう呟いているのはこの私、
鮫嶋由紀。今年で21歳だ。
『また物資調達しに行かないとな。』
こう言っているのは親友の鯖江。
「でも面倒だよね…外はゾンビだらけだしさ…。」
アパートの屋上に建っているしょうもない小屋で
過ごしている。靴もボロボロで、何よりも
ゾンビウイルスの進行を止める薬、[ロウト錠]がもう
二人で2日分しか無いのだ。
「…よし、少し離れたショッピングモールに行こう。
あそこなら物資も色々あるでしょ!」
1km程先の小さめのショッピングモール、[EEyan]に
行こうと提案する。近くの店や家はもう漁り尽くした。
『でもあそこって避難所にもなってたから物資が少ないんじゃなかったか?』
しかし、感染拡大初期を生き延びた避難所などそうそう
無いはずだ。ということで、[EEyan]に行く事になった。