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猫。世界一周の旅に出る。

作者: ヒロモト

猫は知りたくなった。

世界の広さを  

下僕の人間達がいくら止めても関係ない。

猫は開いた旅へ飛び込んだ。


旅路。どこへ行っても

『あらネコチャン』『おやネコチャン』と言われる。

日本を出て海外にたどり着いてもネコチャンネコチャンと言われる。

白人や黒人とコミュニケーションをとりながら猫の旅は続く。

 

世界各国どこへ行っても都会は都会だなと思う。

高層ビルが立ち並び空がよく見えない。


音楽はどこの国のものも悪くない。

猫は陽気な歌もしっとりしたメロディーも好きである。

猫は長い時間をかけて世界を見て回った。


(しまった)


黒服の男に捕獲されてしまった。

世界は日本のように治安のよい国ばかりではないことを猫はうっかり忘れていた。


売られるのだろうか?食べられるのだろうか?


猫の心配は杞憂に終わる。


「ほれほれ。お前のとこの駅長さんだ」


「おお。お帰り。駅長さん」


黒服の男から黒服の男に猫は荷物のように受け渡された。

おおここは日本ではないか。

人間のメスがたくさん壁に描かれた見慣れた光景。

そうか自分は世界を一周したかと猫は思った。


「楽しかったか?山手線一周は?一時間も電車に乗って大変だったねぇ。お前は野良猫だけとここの名物駅長さん猫なんだから無理しちゃだめだよ」


猫は『人がたくさんいて疲れた』『ずっと揺れてて気持ち悪かった』『ただいまー』の意味を込めて


「にゃー」


と答えた。


故郷秋葉原に帰ってきた猫は見慣れた土地と人に安心したのかお腹が減ってきた。

猫を世界一周させてくれた謎の乗り物の扉がプシューと閉まりガタンゴトンと走り去っていく。

お礼を言いたかったのになぁ。まぁいい。明日また

会える。


猫が再び『にゃー』と言うと下僕の駅員さんは察してくれたのか猫に美味しいものを与えたのだった。


 





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