表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました  作者: 屋月 トム伽
第1章 ブラッドフォード編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/144

闇に包まれる 3

私達の後ろの廊下から悲鳴のような叫び声が聞こえ、振り向くと角にいたはずの魔法騎士が倒れているのか、角から足だけが見えた。


そして、真っ直ぐの廊下をエルサ様がゆっくり近づいて来る。

まるで静寂を踏みしめるように歩いて来ていた。


フェリシア様と私は固まっていた自覚もなく、ウィルの声でハッとした。


「リディア様!フェリシア様と部屋にお戻り下さい!急いで!」


ウィルが私達の前に庇うように前に立ち、私とフェリシア様が足を動かした時、エルサ様の後ろからレオン様が廊下の角にもたれるように現れ叫んだ。

その姿は誰かにやられたのかふらついていた。

まさか、さっきの叫び声はレオン様か、と。


「リディア!!逃げろ!!」


私!?

狙われているのはフェリシア様では!?

私かフェリシア様か、どちらが狙いか混乱するほどわからないが、フェリシア様は将来王妃になられる方だ。

ましてや、私達が時間が戻ったせいでこんな事が起こってしまったのだ。


私の代わりにフェリシア様に何かあるわけにはいかない。



「フェリシア様!早く部屋に!っ!誰か来て━━━━━っ!」


叫びながら、フェリシア様を部屋に押し込もうとドアを開けようとするが、体が追い付かない。

手が震えている実感さえもなかった。

何故近くにいた魔法騎士達は来ないのか!


そして、ウィルは攻撃を始めた。


「近づくな!」


水の固まりが勢いよく飛んで、その方向にいるエルサ様は手をかざし、水の固まりを弾いていた。


絶対普通じゃない!

あれは魔法使いだ!!



そして私とウィルはエルサ様の魔法で突風に弾かれるように魔法を受けた。


「キャアァァ━!」


悲鳴と共に床に叩きつけられるように倒れ、ウィルは壁に激突し、ぐったりした。


「リディア!?エルサ止まりなさい!」


フェリシア様はもうエルサ様に敬称すらなく命令するように制した。

レオン様も後ろでエルサ様に向かい、止めろ!と叫んでいる。

でもエルサ様は止まらない。


そして、フェリシア様の周りに縦長の丸い空間が眼を開くように現れ、ゾッとすると同時にフェリシア様が飲み込まれると思った。


そして、私はフェリシア様を突き飛ばし私がその空間の前に来てしまった。

その空間の前は鎌鼬のように痛く風がそこだけ渦巻きはじめた。


「キャア!」


レオン様はエルサ様を抑えたが縦長の丸い空間は消えない。

フェリシア様やレオン様が私の名前を叫んでいたが凄く遠くに聞こえるように感じた。


風が飲み込まれるように私は空間に飲み込まれながらオズワルド様の名を叫んだ。


「オズワルド様━━!」


「リディアー!」


私の叫び声に応えるようにオズワルド様が私の名を叫びながらやってきた。


そして、私の手はオズワルド様に届かず、風と共にあの空間に飲まれるように吸い込まれた。


私が最後に見えたのはオズワルド様が私の名を叫びながら駆け寄って来る姿…。


まるで、あのレオン様の誕生日パーティーの控室の時のように見えた━━━。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ