闇に包まれる 1
朝食の後にはオズワルド様はアレク様のところへ行くので私はその間にフェリシア様の見舞いに行くことになり、朝食へと行った。
朝食の時はアレク様やシャレイド公爵様親子と一緒に食べ、フェリシア様の様子も教えて下さった。
随分回復がいいらしい。
シャレイド公爵様の血筋だからか魔力の回復が普通の人より効果が見られていると教えてくれた。
あとでオズワルド様が教えてくれたのは、やっぱりシャレイド公爵様の血筋だから光の加護の魔法がよく効いていると言った。
「リディア嬢、ぜひお礼をさせて欲しい。娘のフェリシアが大事に至らなかったのはリディア嬢のおかげです」
シャレイド公爵様は感謝をしていて、お礼をと言われるけど、時間が戻り起こったことだから罪悪感はある。だからお礼を頂くことに抵抗があるのだ。
それに私は本当に何もしていない。
ただオズワルド様に相談し、やっぱり助けてくれたのはオズワルド様だ。
「私はオズワルド様にご相談しただけですので、ぜひお礼をといわれるならオズワルド様に…」
「…ではこうしましょう。オズワルドと結婚が近いと聞きましたので結婚のお祝いを弾みましょう。オズワルドはどうかな」
「それでしたらお受けします」
いいのですか。と思いながら隣のオズワルド様を見ると笑顔で頷いてくれた。
朝食の後は一度シャレイド公爵様はご自分の邸に帰られるそうで、フェルト様も魔法騎士団に一度顔を出しに行くらしい。
「では今のうちに私はフェリシア様にお会いしに行きますね」
「ウィルも連れて行け。廊下で待たせておけばいいから」
「はい」
食堂の廊下でオズワルド様とそう話していると、アレク様もヒース様と出て来て、オズワルド様はアレク様の足を止めた。
「アレク、大事な話がある。内密の話だ」
「話？今すぐか？」
「出来ればすぐがいい。ヒースも来てくれ」
アレク様とヒース様は顔を見合せていた。
そしてヒース様が話し出した。
「アレク様、すぐに聞きましょう。オズワルドとリディアさんは何か違和感があります。ノートン親子の時も何か違和感があるように感じましたし…」
ヒース様は私達が何か隠し事をしていると思っていたようだった。意外と鋭い。
「…では、奥の部屋で話そう。ヒース、人払いをしてくれ」
オズワルド様はアレク様とヒース様の三人で奥の部屋へと行かれ私はウィルとマリオンの三人でフェリシア様の部屋へ行った。
