表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました  作者: 屋月 トム伽
第1章 ブラッドフォード編
8/144

堂々と入って来ました

自分の邸に帰ると、私はお父様の元に行った。

今なら書斎にいるはず。


「お父様、少しよろしいですか?」

「どうしたんだ?」


書斎に行くが、どう切り出そうか迷った。

いきなり、婚約者です!とは言えない。


しかし、オズワルド様は堂々と入ってきた。


「失礼します。オズワルド・ブラッドフォードです。急な訪問、無礼をお詫びします」


そう言いながら、オズワルド様は一礼した。

お父様は急な訪問に驚いていた。

それに、お父様はやはりオズワルド様をご存知だった。

お父様は、椅子から立とうとしたが、オズワルド様は、どうぞそのままで、と止めた。


「どうされました?ブラッドフォード公爵」


お父様は私をちらっと見た。

いきなり、娘がブラッドフォード公爵を連れて来たら驚くでしょうね。

内心ドキドキでしょう。


「ウォード侯爵様、本日はリディア嬢に婚約を申し込みに来ました。ぜひ、お受け願いたい」

「リディアに?」

「はい」


お父様はオズワルド様から私を見て、どうだ?と聞いてきた。


「私もぜひお願いしたいです。オズワルド様との婚約をお受けします」


命がかかってますからね!

そして、優雅なゴロゴロ生活が待ってます!

私は真剣ですよ!


「それなら構わないが」


さすがお父様です。

良い判断ですわ!


「ウォード侯爵、ありがとうございます。それと、もう一つ、無礼を承知で言います。ぜひ、リディア嬢を我が邸でお預かりしたい」

「…いつからですか?」

「出来れば明日からでも」


お父様はまた私を見ました。

私の反応を見ているのでしょう。


「お父様、お願いします。オズワルド様のお邸で色々勉強したいと思っております」


これなら、きっと了承するはず。


「二人が納得しているなら構わないが、一体いつお知り合いに?」


もっともな疑問に、適当に言おうと思っていたら、オズワルド様が先に話した。


「リディア嬢に一目惚れしました。必ず大事に致します」


オズワルド様もよくわからない方ですね。

一目惚れだなんて、よく堂々と出ましたね。


「ブラッドフォード公爵、親バカと思って聞いてほしいのですが、周りの方々とは切って頂けますよね」

「勿論です」


周りの方々?

…女か!?

やっぱりいるのね!?


いやいや、今は半年後のことを避ける為にはオズワルド様との婚約がいいはず。


レオン様の時は期待するからいけなかった。

アレク様とフェリシア様みたいな仲を期待しなければいい、そう考えている間にオズワルド様とお父様の話はまとまり、明日からオズワルド様の邸に行くことになっていた。


お父様とオズワルド様をお見送りする為に、入り口につけた馬車まで行った。


「では、明日お迎えに上がります。ウォード侯爵、失礼します」


馬車に乗り込もうとしたところで、私はオズワルド様を引き止めた。

お父様には、先に邸に戻って頂いた。


「オズワルド様、本当にいいのですか?恋人がいらっしゃるのでは?」

「…別に特定の者はいない。それより、明日、迎えに来るまで邸から出るなよ」

「はい」

「今から、アレク様に会い婚約を伝えて来るからな」

「レオン様が訪問しないようにですか?急に会えますか?」

「元々アレク様に会う予定だった。心配いらないから明日からの準備をしておいてくれ」

「わかりました。明日お待ちしております」


そう言い、オズワルド様の馬車が見えなくなるまでずっと私は一人オズワルド様の馬車を見ていた。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ