買い物も悪巧みの一環か
「早く迎えに来て下さってありがとうございます」
「楽しめたか?」
「さぁ、どうでしょうね」
オズワルド様は窓に肘を掛け、黒い笑顔で見つめていた。
「目的は何ですか?」
「面白いものを見せてやるぞ」
そのまま、邸に帰らずオズワルド様と乗った馬車は街に向かっていた。
「茶会は後一時間位か?」
「ミシェルさんが来た時は早くお開きにしているみたいですよ。皆様疲れるみたいで」
「なら、もう行くか」
「どこに?」
訳がわからないまま、オズワルド様に連れられて行ったのは、ブティックだった。
入り口には従者のウィルが立って待っていた。
「ウィル、どうしたのですか?」
「リディア様の為にオズワルド様が店を貸し切りにしました」
「はぁ…」
「好きなだけ買え」
「こないだ沢山頂きましたよ」
「気にするな」
オズワルド様はウィルに、後は頼んだぞ。と言って私を連れて店に入った。
オズワルド様は椅子に座り、買い物の様子を眺めていた。
しかもすっごく楽しそうに。
別に欲しいものもない為、悩んでいると、オズワルド様が一点もののドレスや帽子にと購入していた。
「そんなに沢山は…」
「気にするな。リディアには似合う」
そうして、二人で買い物をしていると、ウィルが店のドアを開け声をかけてきた。
「オズワルド様、フォーレ伯爵が来られてます。お連れ様もご一緒です。買い物に来たそうですが」
オズワルド様は、来たな。と言ってウィルとフォーレ伯爵の元に行った。
そしてフォーレ伯爵とミシェルさん二人を中に入れた。
挨拶もそこそこに、ミシェルさんは買い物を始めた。
「私も沢山プレゼントしてもらえますの」
と言って。
貸し切りにお邪魔したのを気にしてか、フォーレ伯爵はすみません。と謝っていた。
オズワルド様は、このまま貸し切りにしてますのでご一緒にどうぞ。と笑顔だった。
ミシェルさんは私の買い物の量を見て張り合っているのか、勢いよく次から次へと品物を購入していた。
そして、私達は買い物が終わった為、店を後にした。




