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時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました  作者: 屋月 トム伽
第1章 ブラッドフォード編
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出発前

翌朝、皆で朝食を摂っているといつも通り、リンクスがオズワルド様に手紙を持って来た。


今朝は私にも手紙が来ていた。

差出人はアニスだった。


内容は、婚約おめでとうやお茶会のお誘いだった。

婚約をお父様からでも聞いたのだろう。

私は誰にも言わず、この邸に来たから。

戻る前はアニスとよくお茶会をしたから、まあいつもの内容だな、と思った。

行くつもりは全くなかったから、後でお断りの手紙でも出すか、と思っていた。


そして、ふとオズワルド様を見ると、差出人だけ、パパッと見て封を開けずそのまま横に置いていた。


「手紙は読まないのですか?」

「どうせ借金の申し込みや投資の頼みだ。いずれ破産しそうな者には金は貸さん。後は婚約をまだ知らんらしいから、娘を紹介したいとかの話だろう。夜会も今は全て断っているし」


夜会に行かなくていいのは、ちょっと良かったと思った。

結構疲れるから。


すると、アレク様がリンクスに手紙を書くから出してくれるか、と話し出した。


「リンクス、後で手紙を出してくれるか?薔薇を添えて出すように手配して欲しいのだが」

「まあ、薔薇を添えるのですか。ロマンチックですね」

「フェリシアは花言葉をよく知っているから、花を添えてやると喜ぶんだ」


素敵です。

アレク様、さすがですわ。


しかし、花言葉か。

この時、戻る前にアニスから貰ったあの胡散臭い香水瓶を思い出した。

確か黒百合ともう一つはなんだったかしら?

黒百合の花言葉は何なのか気になってきた。


朝食も終わり、すぐに行くのかと思いきや、アレク様はフェリシア様への手紙を取りに行った。

フェリシア様は、今回のアレク様の休暇と、実家が領地に帰る日が重なり来られなかった。

アレク様と結婚したら、そうそう家族と領地に帰れないから、婚約中は家族と帰ることに二人で決めているらしい。


玄関の外にオズワルド様と行くと、警備の話をしてくるから待っていろ、と言われた。


「もう警備は行っているのではないのですか?」

「ヒースや残っている護衛達との話もあるからな」


アレク様にレオン様が来ているから、まあ忙しいのだろうけど。

オズワルド様は私を残して、足早に行ってしまった。


一人残されていると、マリオンが駆け足でやって来た。


「リディア様、すみません!もう少し時間はありますか?」

「どうしたの?」

「すみません!膝掛けが見つからなくて…もう少し待って頂けますか?」


なんだ。

そんなことか、と思った。


「気にしなくて大丈夫よ。まだ皆来てないし、なかったら、オズワルド様のマントでも借りるわよ」


マリオンはまたすみません、と頭を下げ走って行った。


何か変だと思う。

どうして膝掛けが見つからないのかしら。

リンクスが出してくれるはずなのに、マリオンに渡してないのかしら。

そうは思えないけど。


玄関外の立派な柱にもたれ、一人ボッーとオズワルド様や皆を待っていた。

従者のウィル達が今、馬を連れて来ているから、もうすぐで皆集まる。


そして、一番にやってきたのは、レオン様だった。




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