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時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました  作者: 屋月 トム伽
第1章 ブラッドフォード編
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眠る方法

カレンは、眠る方法を話し出した。


「自分の魔力で体を包み、体だけ弱体化させれば良いだろう」

「リディアは魔法は使えませんよ」

「お主、魔法の使えん者とどうやって戻ったのだ?」


それは、俺が聞きたい。

時間魔法の使い方なんぞ知らん。

カレンだって、使い方はわからん、と言って使い方を教えてくれなかっただろうが。


「大体どうやって副作用がリディアに移ったのかのぅ。…呪いか何か、魔法耐性が弱まっていたのか?」


カレンは、うーん、と指を立て考えていた。


「リディアは呪いで事切れる寸前でした。もしかしたら、事切れていたかもしれませんが…」

「それだ、全くの無防備のリディアをお主が一緒に連れて来たのだ。お主は阿呆だの。一人で戻り、リディアを助ければ良かったのに」

「だから、使い方がわからんでしょうが!」


カレンはいつもマイペースというか、こういうやつだ。


「お主の魔法の副作用なら、お主の魔力を使えば良いだろう。魔法が使えんぐらいの魔力なら弱体化させる必要もないだろう。寝る時は一緒に寝れば良いだけではないのか」


なるほど、寝る時に俺の魔力と繋がっていればいいのか。

やっと、役に立つことが聞けた。


「ちょっと待って下さい!他には!?他にはないんですか!?偉大な魔女様!」


カレンと二人で納得したところでリディアが必死に叫んだ。


「お主、さっきはお化け呼ばわりしたくせに都合が良いの」

「しっ、失礼しました。でも、他に方法があるのではっ?」

「ない。大体、こやつの魔法で戻ったのだ。必要なのは、オズの魔力だ。オズの魔力を受けるか、ブラッドフォードの血が濃い者の魔力が必要だ」

「それは、どっちにしてもオズワルド様のことですよね?」

「そうなるな」


嫌なのか?と聞くと、リディアは、顔を赤くし下を向いた。


「い、一緒に寝るなんてっ…、何かあったらどうするんです!」

「何が問題だ?お主ら、恋仲だろう」


カレンはニコニコと意地悪そうに言った。


「二人で騙してませんか?」

「カレンは魔女だから意地悪だが、俺は違うぞ」

「誰が意地悪だ。信用してないなら今すぐ試せば良い。丁度抱き合っておるではないか」


カレンに言われ、リディアを見ると、リディアも俺を見た。

逃げたいのかもしれんが逃げられてはない。


「リディア、試すか?」

「…眠らせてくれるだけですよね?」

「まあ、疲れているみたいだし…」


確かに眠れてないのはつらいだろう。

体もそうだが、頭の中が休むことができなかったはずだ。

しばらくは、何もせずにいようかな、とも思っている。

嫌われては困るし、今はリディアをただ眠らせてやるのが優先だ。


リディアをそのまま、強く抱き締め、自分の体ごと魔力で包むイメージをした。

そして、リディアと二人、黒い魔力が薄い膜のようなオーラに包まれた。


俺の腕をリディアが掴んでいたが、力なく離れた。

リディアが眠ったのだ。

そのまま、倒れないように抱き上げた。


「オズ、何故一緒に連れて戻ったのだ?」

「だから、勝手に発動したんですよ!」


こいつは人の話を聞いてないのか!?


「睡眠が取れんということは辛いぞ。お前が大事に守ってやりなさい」


カレンは、リディアが眠ったとたんに真剣な顔になった。

言われなくてもわかっている。


「必ず守りますよ。大事にしてますからね」

「なら良い。また連れて来い。中々面白そうな娘だ」

「今度は脅かさないで下さいよ」

「お主は喜んでいたではないか」

「リディアは可愛いですからね」


そのまま、リディアを抱きあげたまま図書館を後にし、部屋に連れて帰った。






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