表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました  作者: 屋月 トム伽
第1章 ブラッドフォード編
11/144

if〜消えたお茶会(アリシア)〜

今日は友人のアニスのお茶会にやって来た。

驚くことに今日のお茶会のメンバーには第2王子のレオンハルト様の婚約者がいた。


どおりで今日は、アニスの邸に、特に庭に警備がついていると思った。


婚約者はリディアという名前で、侯爵令嬢らしい。

私より身分もありお金にも困ってない。

お茶会用のドレスでさえオーダーメイドなのだろう。

明らかに私とは値段が違う。


でも顔はとりわけ美人ではない。

私の方がずっと可愛いと思った。


リディアを見ていると、何だかイライラした。


そして、お茶会の途中で、警備達が動き出したと思ったら、一人の男性がやって来た。


警備の騎士達が整列し、その間を歩いてきたのは、薄い茶髪のまあまあ顔の良い男性だった。

背も特別高くはないけど低くもない。

何より、着ている服が明らかに私達とは違う立派な仕立てだった。


リディアが立ち上がると皆が一斉に立ち上がった。

私もつられてガタンと音を立てて立ち上がった。


身なりのいい男性は真っ直ぐにリディアに向かって歩いてきた。


「リディア、ここにいたのか」

「レオン様、どうなさったのです。今日はお約束はしてなかったはずでは?」

「リディアに会いにウォード邸に行ったのだが、茶会に行ったと聞いてこちらにきた」

「まあ、そうだったのですか。すみません、留守にしてしまって」


どうやら、この優男がリディアの婚約者のレオンハルト殿下のようだ。

わざわざ、王宮から会いに来るとは、婚約者にも恵まれているのか。


リディアはレオンハルト殿下に、では、帰りましょう、と言っていた。

レオンハルト殿下は、ちらっと目線がティーカップを見た。

ほんの一瞬だが私は見逃さなかった。


その時私は、何を思ったのか、声をかけた。

チャンスだとでも思ったのだろうか。

本当なら、かけてはいけないだろうけど。


「レオンハルト殿下にお会いできて光栄です。もし良ければご一緒にいかがですか?」


私が、スカートの裾を持ち頭を下げて言うと、リディア以外のアニスや周りが止めた。

青ざめていた者もいた。


「アリシア!いけません!許可なく殿下をお誘いしては!」


しかし、レオンハルト殿下は、少し嬉しそうになった。


「では頂こう」

「レオン様、よろしいのですか?一緒に帰りますよ」


レオンハルト殿下は、リディアが止めるのも聞かずお茶会に交じった。


リディアの隣に座るレオンハルト殿下は、リディアを見ていた。


リディアは変わらず微笑みを返していた。


時々レオンハルト殿下はリディアから周りを見ていたが、周りの皆は急に来た殿下に緊張しており、作り笑顔になっていた。


そしてレオンハルト殿下と目が合った時、私は可愛い笑顔を見せた。


そしてこの時、もしかしたら私はリディアからレオンハルト殿下を奪えるのでは、と脳裏をかすめた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ