レオンにも出会いがあるのか 3
セシルを連れてビュッフェの場所に行くと、セシルは目を輝かせるようにスイーツを見ていた。
「さぁ、食べましょう」
「は、はい！」
皿にケーキにイチゴにと色々載せセシルに渡すと、笑顔で受け取ってくれた。
セシルはリンハルト男爵の長女らしいが何故、顔に傷があるからと遠慮するのか、不思議だった。
「レオンハルト様！娘が失礼をしましたか！？」
「全く失礼なんてしていません」
リンハルト男爵は慌てふためくようにやって来た。
「セシル、こんなところで食べるなんて…」
「お姉様、ビュッフェを食べる方なんていませんわ」
リンハルト男爵夫人と次女のアメリアまでやって来た。
セシルは気まずそうに下を向いた。
明らかにセシルを見下した態度に苛ついた。
あんなところで食べていたのは、顔が気になるだけじゃなくこの家族のせいかもと思った。
「ビュッフェは誰が食べてもいいはずです！私も食べましょう！セシル、遠慮することはありません！」
思わず強気で言った。
いつの間にかライアも側に来ており、リンハルト男爵達を追い払ってくれた。
「レオン様はお楽しみ中です。お邪魔なさらないように」
只のお喋りかと思ったが、そうではなかった。
正直感謝した。
「さぁセシル、沢山食べましょう」
「は、はい、ありがとうございます」
色とりどりに飾るように並べられたスイーツは美味しかった。
確かに夜会で、ビュッフェを沢山食べる人はいない。
夜会でこんなに食べたことは自分にもなかったがセシルを見ると今までの夜会と違い新鮮に感じた。
「セシル、明日は私の邸に来ませんか？」
「レオン様のお邸ですか？」
「はい、ご招待致します。美味しい食事も準備します。勿論スイーツも。アフタヌーンティーもご一緒しましょう」
ライアはディーネ公爵家の人間だから、魔法は水魔法のはずだ。
水魔法は回復系の魔法もあったはずだ。
ライアにあの顔を見せたら治せるかもしれない。
そう思いセシルを誘った。
罪悪感があるからかわからないけど、何か力になりたいと思ったのだ。
