6.5話 夢...?それとも...?
あれ?ここは·····どこ?
もしかしてゲームでよく見るお姫様の部屋の中?
あれ?いつもの格好ではなくて、シルクのパジャマになってる。なんて高そうなパジャマ。
とりあえず、ここはどこか確かめる為に、
部屋から出よう。と思ったが、パジャマだった為、着替えよう!
という事で、クロゼットに入っているワンピース的なものを着てから、部屋を出た。
ドアを開けると、目の前には大きな窓があり、外は晴天だった。
ドアを閉めて、左右見ると、とても広い廊下だった。こんなの初めて見た...。
ここはお城の中なのかな?
少し歩いてみたら、天井高いし、シャンデリアがあるし、途中にお花とか飾ってある。と思っていたら、誰かの足音が聞こえる。
コツコツ コツコツ
と靴音がしている。たぶん、人数は1人。私の方に近づいてくる...。
とりあえず、見つからないように、近くの部屋に隠れよう。
ドアを開け、音をさせないように、静かにドアを閉めた。
足音は遠のいた。
あたりを見渡すと、この部屋は書斎かな?
図書館並の本の量だな。色々と気になるが、また時間があったら来よう!
よし、部屋を出て進もう。
ーその後も足音がしては隠れ、それを何度も繰り返し、なんとか玄関らしき所に辿り着いたのだった。
ここは隠れられる所がないからササッと抜けよう。そして、私は急いで扉に向かって、音を立てないように早歩きをした。
その瞬間・・・
後ろから
「メル?」
と誰かが呼んだ。
私は無視して扉を開けようとしたら、また、
「メルキュール?」
と呼ばれた。
え、誰の事?と思いつつ、周りを見渡しても私以外誰も近くにはいなかった。
もしかして、私のことを言ってるのか?それ以外この状況ではありえない。
とりあえず、誰だかわからないが、反応してみよう。
「私に何か用でしょうか?」
と、とびっきりの笑顔で振り返ってみた。
そうしたら、私を呼んでいたのは、なんと・・・!?
第2王子のリベル王子だった!!
私は唖然。リベル王子は、
「先程メルの部屋に行ったら、全然返事がなくて、ドアを開けても、いなくて、心配しましたよ。どうしました?メル?」
と言って、私に近づいてきた...。あんなイケメンが近くに来たらもっと混乱する。
(ど、どうしよう、とりあえず、離れたいから、ええと、ちょっと外の空気を吸いたいから出るとか言えばいいや!よし!)
「リベル王子、ちょっと外の空気を吸いたいので、外に出てきます、それでは行ってきます。」
と言って、扉を開け、王子から見えなくなったと思う所から、ダッシュでこの場から逃げるように走った。
はぁー、はぁーはぁー。
とりあえず、走り疲れたので休憩。
庭っぽい所に来たけど、ここの庭広すぎじゃない?エリアマップ欲しいんだけど。それか案内板でいいから無いのかな?無いよね。
一旦、今まで起こった事を振り返ってみよう。
まず、私は何故かよくお姫様が寝てるようなベッドで寝ていた。
そして、リベル王子に呼ばれた。
何故か私の事をメルと呼んでいた。
振り返ってみて思ったのだが、全ておかしい。謎しか無いよ?
とりあえず、1つずつ考えてみよう。
まず、ベッド寝てたのはつっこまなくてもいいよね。
なぜあんなに豪華な部屋で寝てたのは謎。
次にリベル王子って本当にイケメンだったんだ。
噂通り、いやそれ以上のイケメンだったし、イケボだったわ。
3人の中だと最推しになりそう!でも、性格はよくないと聞いていたが、そんな事も無さそうだ!
じゃなくて、なぜあのイケメンが、私の事をメルと呼んで近づいてきたんだ?
これが1番の謎だ。私はただの街娘なのに、位が違うじゃん。もう何なんだよ。大パニック!マジで意味が分からない。
でも、メル(私仮)は街娘ではなく、お姫様なのかな?王子と同等そうだし、なんだか仲は良さそうだ。
それでメルは誰なんだ?私とはいえ、いつも通り何にも知らない。
もしかして、もう新たな転生してしまった?まだ死んでいないのに?今まで転生する時は決まって、死んだ時にだけ発動するものだと思っていたけど。うーん。まだ判断できないな。
もしそうだったらとてつもなく大変だよ。でも、その状況とほぼ一致してるからそうなんだろう。と推理していたら、、、
「メル!ここにいましたか!」
とリベル王子に見つかってしまった・・・
「なかなか戻ってこないから心配しましたよ。さぁ、部屋に戻りましょう。」
と王子様スマイルで言われ、それにまんざらでもなく従った。
さすが王子!と言わんばかりのエスコートの上手さで、私はドキドキしながら歩いていた。
「そういえば、今日のメルはいつもと違う感じがしましたけれど、どこか体調でも悪いのですか?」
と聞かれ、私はぎくっとした。
この場合どう応えよう?
A 正直に今の状況を話す。
B 嘘をついて、「そうなんです」と答える。
悩むが、嘘ついても後々大変だから、ここAでいこう!
「別に体調は悪くないのですが、私は何故なのか記憶が欠けていて、記憶喪失になってしまいました...。」
と言った。リベル王子はえっ...という感じにショックというか驚いている様子だった。
そして、リベル王子は、
「それは大変だ。」
と言ってから、険しく考えながら歩いていた。
やっと、部屋に辿り着き、私は一安心。
一方リベル王子はずっと険しい顔をしている。
リベル王子は
「メルはしばらくこの部屋で待っていてくれますか?」
と言い、部屋を出ていってしまった。
王子が出て気が抜けたのか、私はどっと疲れて寝てしまった。
起きると、ここはどこ?
と思ったが、いつもの部屋の天井だった。
さっきのは夢?夢にしてはやけにリアルだったな?
あんなイケメンが近くにいたのに、なぜ何もしなかったんだ。もっと、イケメンを目に焼き付けておけばよかったな。
これが世にいう夢オチというやつ?夢オチは悲しすぎる。せっかくならもっと話していたかった。
何でこんな夢見たんだろう?疲れてたのかな?
あと、私の妄想力半端ない。
久しぶりに乙女ゲームやりたいな〜!ってこの世界には無いか!
とりあえず、二度寝しよう。二度寝した時には同じ夢は見れなかった...。