5.5話 こんなはずじゃ...。
ある日のとある王子の出来事である。
ー突然だが、俺はアルステラ王国第3王子のシエル・アルステラだ!
俺はお兄様をとても尊敬している!お兄様は最高なんだぞ!と全国民に伝えたい。ああ、今日もお兄様は美しいなー!
お兄様のことばかり話していたい所だが、これくらいにしておいてやる。
ぼk、いや俺は国王となる為の勉強として、国民の生活を知ろうと街に来た!メイドが俺が王子だとバレないようにと、何故か女の格好をさせられて、街へ行くことになった。
何故こんな格好しなきゃいけないんだー!!と思ったが、お兄様も過去にこういう事をしたと聞いて、お兄様がやったのなら、俺もやらなきゃいけないと思ったから、仕方がなく着てやったんだ。
とりあえず、街に来たからには俺も何処かしら店に入らねばと思い、適当に色々と店を回った。
そろそろ帰ろうと思い、最後に入った店は服屋だった。
女物の服って色々なもんあんだなー、今の僕にはこんな服とか似合うんじゃないか。と鏡の前に服を合わせてみた。
・・・てか、何楽しんじゃってるんだよ俺ー!ていうか、僕が男ってバレてないよね、ちょっと怖くなってきたぞ、周りに人はいないよね?って思ったら...。
いたー!?
まあ、ただの街娘にバレる訳が無い...!
(あれ?目が合ったぞ、アイツ僕の事見てないか?何故か近づいて来てるぞ。えー、話しかけてきた。こういう時はどう喋ればいいんだ?まず、俺が男ってバレてないよね?あーやばいやばい。早く答えなければ!)
僕は裏声で、
「僕は大丈夫です。すみません、失礼しました。」
と言って早足にこの店を出た。
はあ、はあ、はー。さっきはびっくりしたー。
なんであの女、僕に話しかけてきたんだよ。まあ、なんとか気づかれる前に逃げられたからいいものの。
もう疲れた。早く帰ろう。
そして、ぼkいや、俺は帰路についた。
城に戻った時、ちょうどお兄様にこの姿を見られてしまった...。
心の中では
(あーーー!!!!お兄様にだけはこんな姿見せたくなかったのに!!!!)
僕はものすごく恥ずかしくて、ダッシュでこの場から去ってしまった。やってしまった。お兄様に嫌われてしまったかも...。と落ち込んだ。
その後、着替えて食事したが食べ物が喉に通らず、そのままベッドにいき、眠りについた。